「出張報告3」

「出張報告3」

6月27日(木)

 大学のある米沢から山形に戻り大学の先輩でもあり、鋳造材料の調達販売を行う会社の社長様との情報交換をしました。やはり状況は非常に良くないとのことでした。先ずは、スクラップの発生が非常に少ないこと。住宅、建築の材料費が非常に上がっていること、また解体費用が恐ろしく上がってしまったことを受けて建物を壊すよりも修繕する、もしくは放置されるケースが増えているのだそうです。あまり良くない表現かもしれませんが、震災による被災建物等の処理も進んだ、もしくはこちらも放置される続けるものが確定してきているなどの影響もあること。公共工事などによる、橋などのかけなおしなども進まない。自動車業界などからはサプライチェーンの中での循環が主流となってきたのも影響しているとか。それでも何かしらの手法で確保はするのですが、その費用は上がる一方で、需要(引き)も弱いというのが実情、価格はマツバラの購買から示されている価格を見せると、この価格で確保できているのであれば、超優秀との答えでした。円安は今日の新聞で再び38年前を更新しており、大企業様たちは儲けられていくのでしょうが、中小は益々大変になっていきます。全ての事象は「循環」させることが大切なのです。円安で儲かればよい、消費税まで還付される、儲かればよい。どこかの社長様が頭を下げ、株主とお客様には大変なご迷惑をかけて申し訳ないと話される姿、我が国の中での「循環」というものにほぼ興味がないという話です。それでもいつも話すように、誰かのせいにすることで許されていくことは一つもありません。更に、加速して改善を進める必要があります。「自責」で考えて行動する。徹底していきましょう。

 昼からは仙台に移りました。高速バスというものに初めて乗りました。思わぬ快適さでした。夕方から、青年会議所時代の友人と会食、いつも何かしら学べる会食をとお願いしていまして、今回はV字で経営を改善されている寿司居酒屋さんに連れて行ってくれました。幸い、こちらもJC関係者で、オーナーさんのお話を聴くことも出来ました。先ず店員さんがやってきて聞いたのが「お会計ご一緒にされますか、別々ですか」ということです。「え?」まだ何も頼んでいないのにと思ったのですが。「多分割り勘になると思います。」と話しますと、2枚のQRコードをくれて、友人と私が別々の注文をする形になります。

 この形にしてから非常にお客様が増えたのだそうです。確かに、お酒を全く飲まないのに割り勘にされるのはいつも本当に気の毒だと思います。特にお酒を飲まないので運転手にまでされて、会計だけしっかり取られることは納得いかない気がしますね。しかし、この仕組みであればしっかりと受益者負担で公平ですね。また出てくる品物もほとんどが一人前で量が少ないのです。この仕組みに変えたときに値段を半分にして量を6割減らすという仕組みを取ったのだそうです。簡単に言えば約2割値上げしたことになります。それでも少しなのでたくさんの種類のものが食べられるようになり、お客様には好評なのだそうです。2割値上げして、更に量(売上)まで増やしている。結果的に客数はここ数年、毎年20%程度増えて、客単価も2割上がっているとのことでした。しかし、発想は原理原則に則しています。お客様の困った、特にお酒を飲まない人の不公平感に目を付けたこと。また、現代人は栄養が偏りがちです。少量でたくさんの種類の食品が摂取できるようにしたことも良いです。「儲ける」のでなく「役立つ」の発想です。非常に学びになりました。そしてお会計、割り勘なので時間がかかるかと思いきや、会計時にバーコードのようなものが出て、スキャン(ピッ)してあっという間の仕組みです。特に、最近の若い世代には受けが良いようで、若いカップルは約3組に1組が別々のQRコードを選択するのだそうです。時代も変わっているのが解ります。ビジネスとはまさに発想ですね。勉強になりました。ありがとうございました。

社長 松原 史尚

社長ブログカテゴリの最新記事