12月5日(木)
今日は安全祈願祭と安全衛生環境省エネ委員会の日です。インフルエンザは既に症状は完全に消えましたが、お医者様からの指示で今日までは自宅待機となりました。社長としての最後の祈願祭ですから何としても行きたかったのですが、インフルエンザは本当にしんどいものですし、万が一にもクラスターでも起こそうものなら大変な事態となってしまいます。ここはそれこそ「安全第一」でお医者様の指示に従おうと思います。
本日、皆様にどうしても話したかった内容を本日のブログでは綴ります。2009年6月に社長に就任し、現在に至るまで一番苦しく、悲しかった日は2017年1月14日です。この日から半年後、体重はもっとも太っていた頃から比較すると約半分になりました。何をしても手に着かない日が続きました。不可思議なる予兆のようなものがあり、その年の正月は一体いくつの神社、仏閣を訪れ、ただただ安全を祈り、そして新年早々に全社員さんを集めて、安全教育とOJT、そしてグループ会議もしてもらい、その年の絶対の安全を誓ってもらった一週間後に起きた事故でした。多くの人が、読むブログにこうした内容を綴ることは本来どうかという気にもなりますが、間もなくバトンを次に譲るタイミングにどうしても話しておかなければならないと思うのです。「安全第一」「安全至上」。品質やコストや生産性や利益や会社にとって大切なことはたくさんありますが、安全を以上に大切なものは絶対に存在しないのです。肝に銘じてください。何をするにも最初に自問してください。「安全か?」安全に関して最も大切なことを自分の経験上大切と思う順に綴ります。
1.誰も信じるな
これは大学を卒業して鋳物工場に就職する前日に父に言われた話です。自分の身を守ることは、自分以外には絶対に出来ない。誰も信じてはいけない、先ずは知らないことは手を出すな、そして安全の確信が持てるまで徹底して教われ。安全に確信が持てて初めて行動に移せ。機械の駆動部などに身体を入れるような時には、絶対に自分で鍵を持って中に入れ、人を信じるな。そして機械も信じるな、鍵を抜いていても機械は動く時がある。(残圧)常に残圧を意識し、完全に抜いたことを確認し、その上で動いても巻き込まれない、バカ除けをすることなく絶対に身を入れるな。子どもを持って初めて感じることです。世界中のどこにいても、子どもの安全だけを祈るのが親です。もしも死ぬほどのことがあるのなら変わってやっても子の身を憂うのが親です。その親父が、就職する前日にたった一言話したことが、身を守るのは自分自身、誰も信じるなと語ってくれたことです。皆さんにも伝えたいと思います。
2.止める 呼ぶ 待つ そして逃げる
この言葉は、光好社長の名言に私の言葉を追加しました。上に語った親父の言葉にも通じますが基本は止める、呼ぶ、待つです。災害は、ほぼ100%非定常作業時に起きます。自身に理解できない、解決できないことが起きたら、自分で解決しようと絶対にしないで、解決できる人を読んでください。①の繰り返しになりますが、自らの身を守るのは自分自身です。第一に「己を知ること」、己の知らないことに手を出す馬鹿に絶対にならないでください。解決できる人に解決をしてもらう、そして解るまで教えてもらい、自身で解る(出きる)まで後ろで見て教えてもらい、100回やって100回安全に出来るようになって初めて自分自身で手を出すようにすることを肝に銘じてください。加えて、もしもその状態が火事、爆発といった命に関わるようなことになるのなら「逃げる」、この判断基準は絶対にもっておいてください。ただそれは火が上がれば即逃げよと言うことではありません。例えば、機械に火が付いたとして、その機械がその後使用できなくなるようなことが危惧されても、先ずは消火活動をする判断をしてください。そして身に危険を感じる事態になって始めて、逃げよということです。そしてもう一つ「不安全に慣れるな」ということです。非定常作業が「トラブル」が頻発するような、設備、作業を放置しないこと、真の原因を掴み根本対策を進めることを習慣とすること「改善」を絶対としてください。
3.安全の基本は6Sにあり
私が、おそうじ活動を経営の根幹においたのはここにあります。安全の基本は6Sにあり、これも光好社長の言葉です。詳細はなさなくても整理整頓が出来ておらず汚い設備には不具合(トラブル)が起きるのは当然です。トラブルシュートは非定常作業です。②で示した通り、事故のスタートは非定常作業です。故に、そうじをするのです。そして何故に5Sでなく6S(躾)を入れたのか、ここを肝に銘じて欲しいと思います。「不安全行動を見たら注意する。」これが出来るかどうかが安全の肝です。今年、最初に起きた労働災害、何年にもわたり続けてきた不安全行動だったのでしょう。四方をバーナーに囲まれた中に身を置き「暖」を取るという非常識な行動、背中に火が付きかちかち山状態で、一歩間違えば命を落とすところでした。この状態を何年も注意できなかった職場があったということです。もしくは危険が景色化していたのか。仮に相手が社長でも会長でも「不安全行動を見たら注意する。」ことです。最近「若い人を叱ると直ぐに辞める。」から強くは言わないという話を、内外で耳にしいますが。安全教育(躾)には例外はありません。その不安全行動を、教えていないのであれば自らを反省しながら、注意する。「教えていなかった自分が悪い、でも二度としないでくれ」と止めてください。
4.設備を知る、知り尽くす
昨日のブログで、品質、生産性の向上のために取扱説明書を読むことの勧めを綴りました。しかし、取扱説明書の最初に安全があるはずです。既に標準化までされていると思いますが、今一度、皆で読み返してください。設備の安全機能が確実に働いているでしょうか。その仕組みを理解しているでしょうか。まかり間違って省略行動などになっていませんか。これも冒頭に戻りますが、誰も信じてはいけません、自身のみを守るのは自分以外の誰でもありません。だからこそ、相手(設備)を知る、知り尽くす以上に大切なことはないのです。調整日が多い今こそ、今一度皆で確認をする機会を作ってください。
「安全第一」「安全至上」、安全を超えて重要なことは一つもありません。先ず、何をするよりも「それは安全か」、この物差しを絶対に持つこと。肝に銘じて忘れないでください。
社長 松原 史尚