「最近強く感じていること」

「最近強く感じていること」

11月10日(金)

 国力が落ちているということを強く感じています。当社が製造している商品のほとんどが最終的には誰しもが知る大企業様の商品の部品になっていきます。そしてほぼ全ての企業様が例外なく円安の影響を受けて大きな収益を出すことができているのですが、この先は大丈夫かと痛切に感じています。供給させていただく商品ですが、ほぼ例外なく頂戴する受注量に大きなばらつきがあります。先月まで増産で見積条件よりも多く注文がいただけているかと思うと、突然約束の量の半分になる、酷い時には「今月は無し=0」ということすらあります。先ず、驚くのはこちらから理由を尋ねるまで、その理由さえ教えられることがないということです。尋ねてみますと、理由は様々です。例えば生産設備のトラブル・グループ会社の設備異常で全ラインを停止させているという案件は今年だけでも数回ありました。いわゆるサプライチェーンという問題ですが。我々にとってみると、もしも当社のトラブルで全体を止めるような事態になれば、その保証料は莫大なものになるわけで、そのための保険にすら入っています。しかし、止めた側は我々に対する保証はどうなのでしょうか。その間、準備した資本は全て眠るわけで、特に人件費などは何もしていなくても流れていくのです。その挽回生産になる事もありました。その折には、時間外で生産しなければなりません。その費用が負担されることもありません。疑問に感じます。こうした突発的なことはある程度理解しますが、しかし過去30年の経験の中で数回しかなかったこうした事態が年に数回起きるようになっているということに不安を覚えます。

 こうしたトラブルはまだしも在庫調整なるものには憤りを感じる時があります。「在庫が増えていくのは突然でないはずです」徐々に増えていくはずです。モノの流れにもう少し敏感になるべきではないでしょうか。中小企業でこのようなことをすれば資金が足りなくなります。お金に困っていないから(収益が出ているから)鈍感になるのでしょうか。また、想像するに、人が誰かの指示なく動けなくなっているのでしょうね。声の大きな誰かが見つけて指示するまで動かない(動けない)。故に誰が見ても解るほどの極端なことになるまで指示が出てこないのでしょうね。そして突然「半分・ゼロ」とか言った数字が出るのでしょう。そして動かくすときも誰かの指示がなければ動けないのでしょうね。在庫がほとんどなくなり、このままでは生産に支障が出るころになって担当者が話すのでしょうね「大丈夫ですか、〇〇間も無くなくなりますけど」、すると「何やっとる、早くて手配するように」といった感じで、突然、しかも短納期で約束以上の注文が来ます。指示されなければ人が動けなくなっているのでしょうね。考えさせることなく、具体的な指示を出してしまうところも課題かもしれません。故に、行き過ぎても戻れない事態となる。感じるに「急ハンドル、急ブレーキ、急アクセル」を繰り返している感じです。円安という麻薬にやられています。これが外国から仕掛けられた罠だとすると大変なことになりかねませんね。かつて世界一位であった日本の競争力は現在38位と聞きます。悲しいですが、こうしたトラブルは買い手だけでなく、売り手(お客様)にも起きているわけで、続けていくといつかは見放されます。JITの発想はどこへやらです。

 こうしたところこそAIやDXといったところが活用されていくべきでしょうが、手が回っていないのでしょうか。

 その他にもシステム障害といった話もありました。いつ復旧したのかも知らされず、突然オーダーが増えてきて「修理済んだのかな」と思っていたら、再び突然受注が約半分に落ちてくるので理由を尋ねると「生産に少し余裕が出たのでラインを止めてメンテナンスをする」といった回答がありまして。「あれ、このA製品は同じ機種でこのB製品も使用されているようだが」と思いながらB製品を生産されている会社に連絡するとそうした情報も受けていなくて、少し遅れて同じような減産がやってきます。そしてまた、いつか挽回生産させられるのでしょうね。

 輸送していく船のトラブルで納入にブレーキといった話もありました。発注ミスで先月に倍の量を発注してしまい今月は調整ですといった話もありました。まだまだ思い出せないだけで、本当に多くの生産調整(増える時も減るときも)ありました。

 これだけたくさんのトラブルを出しても「円安」といった時代背景の中で最終企業様たちは皆さん「空前の収益」といったことがどこでも報じられています。しかし気づいてください。足元で、あなた方を支えている企業たちは大変なことになっていますよ。持ちこたえることが出来ない企業、嫌気がさして辞めていく企業、こんなことに人生掛けられないと後継者が返ってこなくて廃業していく企業。日本の企業名だたる企業、そのほとんどが単なる組立屋さんであることを忘れていませんか。その組み立てられる部品の一つひとつを懸命に造ってくれている人たちがいます。この人たちが消えていけば、皆さんの仕事は成り立ちません。「変わりはいくらでもいる」そんな風に思っているのであるとしたら大間違いですね。既に、そこに勤める社員さんたちの変わりがいなくなってきていますから。こんな事態の中でも賃上げはしなければなりません。皆さん歯を食いしばって理不尽に耐えています。

 今日は珍しく、色々愚痴っぽく話しましたが、「ピンチはチャンス」ですから。昨日も綴りましたが、こんな中で人材の確保、設備の更新、新たな市場開発、お客様の「困った」を解決していく術をマツバラの社員さんたちはどんどん進めてくれています。本日綴ったような社会的な課題は、現状避けて通れない課題なのだと思います。そして、そのことはお客様にとっても課題(問題)なのだと思います。つまりはお客様の困りごとなのです。「お客様の困ったに常に喜んで対応する」それがマツバラの理念です。時代は巡ります。再び松下幸之助翁が言われた「ダム式経営」をするような時代になっているということですね。今日綴ったことは、明日からの大きな課題として早速月曜日に担当者による会議を設営させていただきました。「ピンチはチャンス」、お客様のお困りごとにしっかりと対応していきますよ。さあ、早いもので、もう週末です。

 Have a great weekend !

社長 松原 史尚

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