「2月がスタート」

「2月がスタート」

2月1日(木)

 新年早々能登半島地震、飛行機事故と大変な幕開けとなった令和6年ですが、あっという間に1月が過ぎていこうとしています。本当に時間の過ぎるのが早いです。

 私は目の前に起きる事象は絶対に偶然はなく、必然的に起きていると考えています。つまり全てのことには意味があり、何かしらを語りかけており、そこから何を感じ、何を学ぶかが大切なのだということを常に意識しています。新年早々の地震、そして飛行機事故は全ての国民を震撼させました。本当に被災された方々には心からの悔やみを申し上げ、1日も早い復興を望むところです。そして、ここから感じること、震災がなければ、飛行機事故は起きていなかったということ。私の地元各務原には航空自衛隊岐阜基地があり、本来正月休みを取る予定の隊員の皆さんが多く緊急の招集がかかり、被災地に向かったと聞きます。恐らく、あの飛行機事故で犠牲になった海上保安庁の職員の皆さんも地震さえなければ本来は自宅、もしくは実家でお正月を満喫しながら過ごしておられたのかもしれません。新聞等で見かける記事では、本来能登には住んでおられない若い人たちが正月で帰省していて犠牲になられたとのことです。多くの人が建物の下敷きになって亡くなられています。恐らく、あの日以外に地震が起きたのであれば、自宅、特に古い建物の中に存在する人は格段に少なく、どこかで仕事をしていたのでしょう。多くの若い人たちは犠牲になる事はなかったのではないかと思います。

 ここから感じること、それは第一に「循環」ということ、万物はつながりの中でつながり、そして永遠の循環を繰り返しているということです。こうしたつながりに感謝し、自身が生かされていることを忘れている我々を戒め、こうした「御陰様」の心を今一度持つことの大切さを教えているのだと考えます。青年会議所の後輩が自衛隊の近くで飲食店を経営しています。やっとのことでコロナ禍が過ぎ、日常が戻ってきたと感じていた中での震災、そしてお客様の8割が自衛隊の皆さんであったこのお店は今大変な事態となっています。先週のブログでダイハツの影響を受けている友人のお話を綴りました。まさに、つながりという中で起きてきたこうした事態をどう受け止めて良いのかということです。つながりの中では、自身の努力では何ともならないことがあるのだということを思い知らされます。「無常」としか言えないところです。まさに二つ目に感じさせられることがこの無常というところです。

 しかしながら本当に避けられないことなのかというと私はそうでない気がします。冒頭に戻りますが、私は、世に偶然なし、全ては必然、そしてその必然は何かしらの大きな力によって動かされており、常に人の心を正しい方向に進めようとしているのだと考えています。こうした大きな力を人は神とか佛として扱っているのだと思います。今日の日本経済新聞にボーイング社とエアバス社の比較がされていました。ボーイングは大赤字、そしてエアバスは大増収大増益だというのです。コロナ禍という事態は「神」(目に見えない力としてここでは神として表現します)によって平等に与えられました。しかし、この平等な事態の中で、二つの会社の行動は真逆に進みます。ボーイング社は目先の利益に走り、リストラを進め利益の確保に走ります。一方でヨーロッパには働く人を守る大きな規制(法律)が存在し、経営者の本当の意思であったかどうかは別として働く人たちは守られていきます。前述のように全てはつながりに生かされ循環していますから、ヨーロッパ社会は一時的には全ての人々が何かしらの我慢(苦)を強いられることになりました。しかし、こうした皆で苦を分かち合ったことは社会全体の大きな不満にはなっていきません。そして、コロナ禍が通り過ぎ、再び繁忙期が到来した折に、苦を分かち合い皆で生き残ったEU(エアバス)にはサプライチェーンが存在し、強いものだけが生き残ったアメリカ(ボーイング)はサプライチェーンが弱体化していました。その折に繁忙期が到来します。結果は必然的に大差を示します。もう一点、同じ料理を作っても何故お母さんの料理は美味しいのかということです。そこには間違いなく愛情(思い)が存在するからです。たまたま自分はリストラされなかったけれども、多くの仲間たちがリストラされて職を失っていったボーイングの社員さんはどんな気持ちで飛行機を組み立てるのでしょうか。大変な時代を一緒に乗り越えてきたエアバスの仲間たちはどんな思いで繁忙期を迎えるのでしょうか。結果は明白です、アラスカ航空で起きた事故、ドアのボルトを付け忘れた。とても信じられないことです。飛行機を購入する企業や国はこうした事態の中でどちらの飛行機を買うでしょうか。結果として受注は1.6倍でエアバスの勝ちです。目の前には平等に事象が示されます。その中で何を思い、何を感じ、どう行動するかは人それぞれです。アメリカという国、そしてそこに追従するしかなかった日本、株主第一主義の経営、政治、そして今日本経済を大きく揺るがす全ての信じられない事態は、「今だけ金だけ自分だけ」、つまりは「循環」を解せない社会が生み出した必然なのです。

 長々綴ってしまいましたが私は、日本は神の国であると心から信じています。1月元旦という日に起きた震災、この先永遠に日本は正月元日に慰霊をしなければならないという宿命を背負いました。しかし、それは一方で目に見えない御陰様に感謝すること、そして目先の利益でなく、目に見えぬ先の未来のために善悪の基準で行動することを永遠に戒めることの大切さを神仏が我々に教えてくれたのではないかと感じています。この姿勢で今年も経営をしていきたいと考えています。まさに「負けてたまるか大作戦」、善いことをして悪いことをしない。それはどんな逆風にあっても絶対に曲げてはならない姿勢であり。「人を大切にする」わが社の経営理念に則った進むべき途なのです。

社長 松原 史尚

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