「改善提案年間表彰」

「改善提案年間表彰」

 6月3日(月)

 6月がスタートします。今月今週も調整日からのスタートです。若干、受注が増えてきてはいますが、当面こうした事態が続きます。

 さて、今週は改善提案の表彰からスタートです。年間最優秀賞は品質保証部でした。本来次点であった、品質保証部が繰り上げで最優秀賞になった理由もしっかりと朝礼で話させていただきました。オリンピックでも起きます。銀メダルからの繰り上がり、それでも金メダルであることは間違いありません。自信を持ってください。最終選考までもつれた提案ですから価値も高い提案です。

 ということで、良い機会だと思いましたので朝礼でどんな判断基準で特別賞(社長賞)を出しているか、つまり何に重きを置いて審査をしているかについて説明をさせていただきました。

1.改善(チャレンジ)の内容と成果

     先ずは改善ですから、現状よりもどのように改善されていったか。そしてその結果(成果)に対する評価が最重点です。生産性、品質の改善とそのコスト評価。また、同一機能で低価格というのも評価します。また、安全性の向上も高い評価基準です。地球環境への貢献も大きな評価ポイントですが、「環境に良いことは経営にも良い」のが普通です。環境の改善はコスト評価もだいたいは出来ます。

    2.非定常時の異常の判断基準があるか

     改善はそのほとんどが現状の何かを今より機能的に変えていくケースが多いです。つまり何かしらのチャレンジを伴うものです。これまでのやり方を変えることが前提となります。つまりは非定常作業です。こうした非定常作業では安全、品質、生産性、全ての分野で事故(トラブル)が起こりやすくなります。改善する場合には、そのチャレンジをNGとする明確な判断基準がなくてはなりません。異常を明確にする仕組みがあってこそ、改善が出来るのです。今回の最優秀賞はこの分野での受賞でした。昨年は生産性向上分野での大きなコスト改善がありました。こうした改善が出来たのも、この判断基準が明確であったが故に実施出来たのです。昨年実施したコスト低減策の合否の判断基準を明確にしたというものです。その他にもメンテナンス時における非定常作業時の感電防止についての提案も優秀賞になりました。これも同じ観点です。非定常作業時の判断基準ということです。繰り返しですが、重大事故の大半は非定常作業で起きます。その折の安全基準を明確にする。これこそ私が望む(安心する)改善提案です。

    3.お客様満足度の向上

     今回の中にも優秀賞の一つとして選出されました。お客様の仕入れ先が突然生産を停止されて、お客様が部品の手配に困られたというケース。こうしたケースに瞬時に対応し、その対応はこれまでのマツバラの能力を超える改善であったこと。こうしたお客様の「困った」を解決していくことも高い評価基準です。その他、お客様の「困った」を解決する全てが大切な改善です。

    4.社員満足度の向上

     社員さんの「困った」を解決する、もしくは時に社員さんを喜ばせることにも高い評価をしています。今回の努力賞の中にいくつか含まれていました。捨てる作業着を、欲しい人に回す。大したことではないようですが、気持ちが嬉しいのです。後工程での作業がしやすいように、一工夫、一苦労を前工程が率先して受けてくれることで、全体の効率(生産性・安全性)が高まるといった提案も今回の努力賞に選ばれています。

    5.新たな仕組みを創り上げる

     今期の大きな改善の一つで「トラブルの予兆を見える化する」というものがありました。非常に良い提案で効果も高いので優秀賞になりましたが、そもそもこうした見える化は工場内のWi-Fi環境が整ったから出来ました。もちろんこうした環境整備も評価されますが、外部の皆さんにお願いして進めることで努力点として高くはありません。しかし、こうした環境の変化を活用して、廃棄されるはずであった携帯電話のWi-Fi機能を活用してスマートフォンとして社内専用で活用していくという工夫は素晴らしいと思います。通信料タダ、初期購入費用タダで社内の便利さを格段に向上させた。素晴らしいと思いました。こうして新たな仕組みを構築してくれる。これも高く評価しています。

     実のところを言うと、ここまで詳細に朝礼では話せていません。多くの皆さんがこのブログを見てくれているので、話を盛って改善提案の審査基準を綴ってみました。参考にしてもらえたらと思います。

     特に②で綴った異常時、非定常時の判断基準を明確にしてから改善に取り組むことが普通に出来るようになったことが昨今のマツバラの大きな成長の原動力だと思います。中国の景気支援策、11月のアメリカ大統領選挙に向けた経済対策は、今期はきっと景気にも良い影響をもたらすはずです。その折には、今期の改善が大きな成果(結果)となって表れるでしょう。

     さあ、今週も始まります。少し受注が増えたので、月末の週の1日が延長操業でなくフル操業になるようです。こうした週が7月には更に増えると思っています。いよいよ夏本番です。生産量も増えるようなので、熱中症対策も万全にして行きましょう。今月の重点テーマです。「熱中症対策始動」です。よろしくお願いいたします。

    社長 松原 史尚

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