「54期営業報告書」

「54期営業報告書」

6月7日(金)

 週末です。本日も延長操業をしてくれています。先月は4度の延長操業をしてくれました。これにより1日操業日を減らすことが出来ました。その費用は150万円近いコスト低減になっています。本来、操業開始時に溶湯温度を上昇させるために必要なエネルギーが延長操業時には要らないので、燃料費での効果も期待していたのですが、こちらは期待通りの効果を得ることが出来ませんでした。しかしながら、先週、先月最後の延長操業時に良い結果が出せており、先週の結果を分析することで、更なる改善が出来るかもしれません。既に、技術員室では今月の課題として取り組んでくれるようで、「流石」と楽しみにしています。

 さて、表題の営業報告書ですが54期、昨年の決算報告書に添付されるものです。この報告書を綴るのが社長の役割です。1年間の経営について振り返る瞬間です。経営環境的には本当に大変な1年でした、昨年大きく影響を受けたロシア・ウクライナ戦争によるEU経済の低迷は継続し、更なるパレスチナでの戦争は世界経済にも悪影響を波及し、特に北米の経済を直撃しました。昨年同様、半導体不足は上半期に影響しました。中国不動産バブル崩壊も建設機械を中心に受注を大きく鈍化させました。世界的なインフレに加え、歴史的な円安が住宅産業を直撃し、1棟建てば4台は設置されるエアコンが売れなくなり、その部品を製造するマツバラには大打撃でした。度重なる自動車業界の不正による納期調整も痛手でした。マツバラは全業種型営業活動を展開していますから、歴史的には非常に景況感が良くないときでも一つか二つは日本経済をけん引してくれる産業があったのですが「全滅」というのは初めての経験でした。こうした時代背景を若干は予想していましたので、新期の受注活動も積極的に展開しており、新期の受注、特に廃業や縮小をされた同業社さんから溢れた部品の受注確保も少なからずありました。にもかかわらず受注量は2020年コロナ元年を下回りました。結果として、3億を超える減収となりました。一方で「ピンチはチャンス」です。昨年度まで実施していた、雇用調整助成金の活用を止め、受注減による生産調整日には、リスキリング含めた教育活動、改善活動、環境整備(おそうじPW活動)活動を強化しました。また、このように受注量が減り減収する中で1万円のベースアップを含む平均6%を超える賃上げの実施、有給休暇取得率の向上策など積極的な働き方改革の実施も進め、人財の確保にも努めました。こうした「人への投資」が功を奏したのだと思います。当期利益では過去5年間での最高益を出すことが出来ています。こうした成長が多様な人材が活躍する中部の中小企業15選にも紹介されました。とは言え、まだまだ自慢できる数字ではないのですが、昨年特に下半期に実現した改善を活かし、今期は大きな飛躍が出来ると思っています。このような低迷期にしっかり収益を出せたこと、設備投資は完了していること、何よりも人財の確保が出来ていることは社会(お客様)に大きな安心感を与えています。アメリカの大統領選挙前の景気刺激策なのか、中国の景気刺激策なのか、世界的な流れを受けて受注は少し上向いてきています。また夏に向けて新規の受注も立ち上がってきます。55期は良い年になるのではと考えています。

 しかし、本当によくやったと思います。わが社の社員さんたちは本当にすごいと思います。そして冒頭にも綴ったように改善は継続中です。凄い会社ですね。素晴らしい。

 営業報告書はこうした内容をフォーマルに綴ってみました。

 さて、週末です。素敵な時間を過ごしてくださいね。

社長 松原 史尚

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