「労災発生者を恩人にする」

「労災発生者を恩人にする」

6月17日(月)

 今週も始まりました。今週は生産調整日からのスタートです。先週の操業停止もありましたので操業日にするという考え方もありました。しかし、先週起きた労働災害の教訓を皆で共有するためにあえて操業を止め今一度安全第一の徹底をすることとしました。そのために週末を一日延長操業でなく、完全操業に変更することになります。一日操業を止め、延長操業を変更することで150万円程度の支出をすることになりますが、それでも安全は絶対です。優先順位は常に①安全②品質③生産性(コスト)です。どんなことがあってもこの順位に例外はありません。

 各基幹職さんに全社員さん向けの安全教育をお願いしていましたので、恐らく全社員さんが労災現場を見て回ってのだと思います。その間、発生部署の皆さんは機械の手入れやそうじなど何もすることが出来ません。特に被災者は非常に居心地が悪かったと思います。既に怪我をした場所はバンソウコウに変わっていましたが、問題は災害の大きい、小さいではありません。しかし、本当に居心地が悪そうでした。労災を発生した人は入社後の年数が若い人ですので、念のため私が直接に話をしに行きました。「マツバラでは労災発生者を二度と労災が発生しないための恩人になっていただきます」ということを、従って、徹底的に何故起きたのかを分析して、その歯止めを標準化し、教育訓練(できればOJT)まで実施して進めていきます。「居心地悪いよね、それでも二度と同じような災害を出さないためのこと、どうか理解して欲しい」と、こうして被災者に声をかけられる時は良いのです。時に声さえかけられないような大きな災害が絶対起きないためにも、この姿勢をこの先も続けていきます。

 今日は調整日の朝礼当番でもありましたので、本当に居心地は悪かったでしょうが、全社員さんが揃った場所で徹底して今回の災害について語りました。先ずは、優先順位を間違えたこと。安全でなく、生産性を優先したこと。本人は駆動部に絶対に身体の一部が入ることはないという過信で侵入したのでしょうが、コミュニケーション、合図、意思の疎通なく実施したことで第3者が機械を動かしてしまったこと。先輩の仕事を優先させるという気遣いは大きな代償となったこと。生産現場では安全に対してだけは絶対に誰も信じてはいけない。動く場所への侵入は侵入者が鍵を持って入ることを絶対条件とすること。また、今回の労災では救急車の手配をしました。しかし結果としては軽傷で済み、万が一その間に本当に救急車を必要とする人があれば大きな迷惑をかけるところでした。生産現場では、万が一の場合には救急車の手配を躊躇しては絶対に行けません。しかし、どんな基準で救急車を手配するのか。場合によっては、それ以上にファーストエイド(応急処置)が大切な場合もあります。こうしたことを学ぶには、プロから学ぶことが絶対であると思います。従い、プロを招いての救急救命訓練を実施することを総務部に命じたこと。また、今回のそもそもの原因は機械の汚れたところを掃除しようとして発生していることから、日々のおそうじ活動の重要性についても語りました。

 ということで本日はおそうじ活動にも全社で取り組みました。私は事務局の皆さんと巡回にも同行させていただきました。最近のブログで何度も綴りますように、本当に職場が美しくなってきました。故に、これまで気にならなかった場所、物が目につくようになってきました。善いことです。徹底して奇麗にしていきましょう。よろしくお願いします。

 さあ、今週も始まりました。教育でなく、実践こそが最重要なことです。本日、工場を止めてまで実施した労災撲滅への時間をしっかり意識して、徹底して実践していきましょう。

社長 松原 史尚

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