「韓国出張2」

「韓国出張2」

7月10日(水)

 本日ご案内をしていただく予定であった方のお父様が危篤になられました。病院での面会時間が13:30分まで、コロナ以降、日本と同じで危篤状態でも病院にいられる時間が制限されているとのことです。もちろん、お父様を優先して頂くようにお願いしました。もともとグリーンボンドを生産する会社への訪問がメインですから、ブログを綴ったり事務仕事をしたりしながら10時頃まで時間を過ごし、韓国のスーパーや市場などを巡り、昼食をして韓国の経済を肌で感じることをお願いしていました。それは自分でもできます。幸い繁華街に近い東横インに宿泊しています。ホテルから出ると徒歩3分程度に地下鉄の入り口があります。地下鉄の駅を中心に地下には多くの商店街や飲食店もあり東西南北縦横無尽に繋がっていますので全ての店の前を歩くだけでも1時間くらいかかりますので(以前に経験したことあり)、今回は朝9時頃からゆっくり見て回りましたのでホテルに戻ったのは11時を過ぎていました。そこから本日のブログを綴り始めました。

 昨日のブログでも綴りましたが、韓国経済は非常に良くありません。

 今は便利な世の中で、ネットで欲しいデータは何でも出てきます。先ずは、韓国の平均年収は約420万円と日本の平均と比較すると約40万円高くなっています。このレベルの所得税は25%、そこに住民税が2.5%かかります。この時点での手取りは310万円、ここに健康保険料が約20万円、厚生年金が19万ほどかかる。従って、手取りは270万円ほどとなります。一般的なワンルームマンションの平均家賃が60万円、光熱費(火災保険など含む)が13万円ほど。つまりはこの時点で可処分所得は200万程度です。あくまで平均ですから半分以上の方はそれ以下、どの国にも格差なるものが存在し、こうした一般的な人たちから搾取している人が大変な額を稼いでおられますので、実情はもっと大変なのでしょう。物価と言いますと、今朝2時間歩いてきた感覚では、ほぼ日本と同程度と考えると良いかもしれません。酒場のビールなどは600円程度日本と変わらないか少し安い程度でしょうか。今、韓国ではハイボールが大人気だそうで昨日いったレストランでも多くの人がハイボールを飲んでおられました。そのお値段は約1000円とこちらは日本よりやや高い。雨が降っていたので傘を購入しました。55センチやや小さめの傘は700円程度でした。こちらは日本より少し高め。2Lのお水は200円、600mlのお水は120円程度でした。多くのレストランがランチの準備をされていました。そのメニューの価格はおよそ1200~1500円程度が一般的でした。中核都市としての名古屋と比較すると同レベルか、少し高いかといったところです。しかし、ブランド物などの価格は見ましたが、その価格が高いのか安いのか私には興味もありません。ただ昨日送っていただいた時に多くの韓国の若者がブランド品を買うために日本に旅行するのだと教えてもらいましたので、日本の方が安いのでしょう。そして以前は大変な人だかりで特定のお店は入場制限までしていた免税店には全くと言ってよいほど人はいませんでした。つまりは韓国の方が生活はし辛いと言えるでしょう。実際、韓国でも実質賃金の低下に歯止めがかからない事態になっているとのことでした。こうして比較をすると「日本も大変」「韓国も大変」というのが結論です。韓国では更に長期金利が6~7%という現状です。平均的なマンションの価格が韓国では3300万円程度だと(2億9000万ウォン)だとネットの記事に書いてありました。平均年収の人の可処分所得が260万(家賃分を除外した金額)円として300万円の頭金、銀行でローンを組むとすると金利だけで180万円~210万円となり現実的ではありません。余程毎日の生活を切り詰めて毎年100万円程度で貯蓄したとしても30年かけてやっと現実化します。考えるほど、何のために生きているのかと思えてきます。こうした事態が平均出生率0.72(2023年度)を招いているのでしょう。景気と考えると、日本以上に良くないのだということを実感します。日本では先日訪れた山形や米沢ですら多くの外国人がいました。しかし、ここ韓国ではこうした事態にはなっていません。ほぼ変わらない、もしくは少し高い韓国よりも日本が選択されているのでしょう。それが免税店の姿でしょう。つまりは、インバウンド需要もありません。金利に加え、実質賃金の減少に歯止めがかからない事態では住宅は立つわけがありません。韓国は非常に個人事業主が多く、建設業も多かったそうですが、その多くが倒産や廃業に追い込まれているようです。その中でも大手の建設業はマンションの建築も行うようですが、買い手がつかない状態が続いているようです。従って、以前では信じられないような大手企業の倒産が出るようになっているようです。以前、同じホテルに宿泊した折にホテルの前に大きな百貨店があり海苔等を購入するのに便利と使用したのですが、倒産していました。解体工事の準備が進められていました。一方、韓国でもウォーターフロントなどにあるマンションの価格は高騰しており、僅か3年ほどで値段が3倍になっているそうで、一般的な価格が3億から4億円での販売だそうです。つまり、特定の人間たちにはお金が集まっているということです。

 ヨーロッパはロシアからのエネルギーを止められて大変な事態です。アジアを代表する日本、韓国がこうした事態です。第2次世界大戦へと進んでいった時と同じ匂いがします。世界的に特定の人間だけにお金が流れていく仕組み、その中で国も国民も疲弊していっている。これまでは最低限、けん引する国があったのですがそれすらないのが現状です。

 大変な時代の中の産業を支える部品素材を提供している我々です。当面は大きな波を超えていく必要があるということです。その覚悟が今マツバラの一人ひとりにあるでしょうか。最近、少し気が緩んでいる気がします。様々な会議の議事録が送られてきますが、6月の数字を受けて少し気合が入っているのではと思います。大切なことは継続することです。繰り返します、心とは時間です。そして田に心と書いて思うであり、思ったことが未来への種となる。そしてその種が具現化しているのが今です。私を含めて、今一度何を思うか、どうあるべきか、そして「継続すること」「思い続けること」を大切にしてください。

社長 松原 史尚

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