7月31日(水)
暑いのは嫌い、雷はもっとキライなのですが、それでも半袖で過ごせる夏の方が冬よりは良いと感じています。従って、この日が来ると暑い夏もあと少しと思いながら冬へと向かう感じがし始めます。毎朝4時ちょっと過ぎに起きるのですが既に真っ暗の中を起きています。この前まで明るかったのですが。一番好きなのは3月、まだまだ寒いし真っ暗なのですが、一日一日日が長くなっていく感覚が良い感じがします。
ということで7月が終わります。今日は久しぶりにゆっくりと現場を見てきました。ここ数年、少しずつモノづくりがやり辛くなってきています。というのは材料の汚れに歯止めがかからないからです。例えば、自動車も燃費を向上させるためにどんどん軽くなっていきます。しかし、安全性は維持しなければならないので軽量・高強度な材料の開発が進められます。開発は改善をしなければ進まないわけで、そのためには材料の成分を変えてその特性を研究して最適な鋼板を開発することになります。このことは自動車に限らず、全ての産業で行われるわけであり、つまりは鉄源を原材料とする我々にはその純度がどんどん落ちていくことになります。また鋳物造りではよく「カーボンの核をつくる」といった表現をしますが、材料の純度を上げることで凝固を安定化させることのできる銑鉄というわれるものを使用します。銑鉄は鋳物用に生産されるので、我々にとっては鉄鋼メーカーから製品を買うことになります。随分前は鉄鉱石から造っていましたが、そのようなプロセスではコストが上がり過ぎてしまいますので、市場で回る鉄源を混ぜて銑鉄が生産されるようになってきました。そしてコストを下げるためにリサイクル材料を使用する率がどんどん上がっています。この時点で鉄の純度は下がり続け、加えて市場に出回る鉄源の純度も前述の理屈で下がり続けているのです。つまり、私たちが購入できる鉄源材料は時系列的に不純物の比率が高まっているのです。これ以上説明してもきりがないのですが、つまりはモノづくりがどんどん難しくなっているということです。従って、良品率や歩留まりが悪化することはある意味では仕方がないと思ってきたのですが、最近大きな改善が見られています。何やら「コツ」をつかんだようです。今日は久しぶりに現場をしっかり巡回してきましたが、いつも以上に時間がかかってしまいました。本当に製品が奇麗になっています。私が子どもの頃から背産している製品がちょうど検査ラインに流れてきていました。僅か数か月前に嘆いた製品です。「子どもの頃にこの製品の検査を手伝った頃には一つの不良を見つけるのにも苦労するほどきれいな製品だったのに、今では見た目も良くない、奇麗でない製品になってしまった。良品率も下がっている。型も古くなっているし、材料も悪くなっている。仕方がないのかなあ」そんな感じですが、今日観た製品は正にあの頃の輝きです。ということで嬉しくて眺め続けてしまったのです。私一人があきらめていましたが、わが社の技術陣は本当にすごいですね。素晴らしい。もちろんコストを上げることなく取り組んでくれています。感謝ですね。皆さん本当に有難う。それでも更に新しい改善を進めようとしてくれているという報告を最近メールで頂戴しました。素晴らしいですね。がんばってくださいね。期待しています。そして信じていますよ。きっと出来ると。
ところで昨日のことになりますが今年も子ども参観がありました。毎年、社員さんのお子さんが会社の見学に来て頑張っているお父さん、お母さんを観に来てくれます。何でもこうして続けることが大切ですね。準備をしていただけた皆さん、今年もありがとうございました。きっと子どもたちには良い一日になったと思います。
社長 松原 史尚