「慈悲」

「慈悲」

9月13日(金)

 最近かなしいことがたくさんあります。時代の流れであると思えば仕方がないですが、大量生産大量消費型の生産をしていた頃にはお客様に依頼された受注量を完全に生産し、依頼された期日に確実に納めるということがお客様の一番の希望でした。テレビのCMでも「JIT=Just in Time」の言葉をよく耳にしました。しかし今、製造業特に中小製造業は仕事量も減っていますからJITは当たり前になっています。B to Cで直接に売っているお客様は皆さん業績も好調なようですが、大企業のお客様でもB to B で部品や付属品を納めておられるお客様は我々同様に以前のような好況感をお持ちではありません。そうなると向かう先はコスト低減になってきます。納期が一番の喜びであった頃は時折起きたような様々な問題は、工程の途中で誰かが見つけてくれて、良品に差し替えれば許されたていました。しかし今では、まるで鬼の首でも取ったかのような話になって、その内容がコスト低減の材料になったりすらします。良い製品を納めることは当たり前ですから、しっかり進めるべきです。それでも、JITナンバーワンで表彰されて、その報奨金でビール祭りをした時代が懐かしいです。まあ、時代は移ろいゆくから怠ることなく精進しなさいとはお釈迦様の遺言です。ということで誰かのせいにするのでなく、時代の流れに沿って進化しなければならないのです。精進しましょう、もちろん頑張ります。

 それでも悲しいと考えると、字が見えてきます。悲しいとは心が非ずと書きます。「心が痛んで泣けてくるような気持ち」、あ~、まさしくそんな感じと思っていましたが、「悲しい」を検索していると辞書には慈悲という言葉が出ていて、お釈迦様の言葉として父に慈恩あり母に悲恩ありと書いてありました。慈恩は理解するとして悲恩とは理解できない話でした。しかも母に悲恩です。意味不明ということで調べてみますと、慈悲とは「抜苦与楽」という意味で、苦を取り去り、楽を与えるということなのだと記されていました。つまり悲恩とは「悲しみ(苦)を取っていただいた恩」ということなのだということです。確かになあ、暑い、寒い、腹減った、オシメが濡れた(汚れた)等など子どものころから苦を取り除いてくれたのは常に母でした、オシメなどは父でも良かったでしょうが、服を着る(脱ぐ)とかご飯とか授乳とかはどうしても母でなければならないことが多かったような気がします。漢字は上手くできています。まあ、大変に悲しいことはありますが、環境には適応しないと。ということで、少し悲しくなることが多かったですが、父には生き方(楽を得る手法)を教わりました、母には多くの悲しみ(苦)を取ってもらいました。父に感謝、母に感謝。そんな気持ちになれたのもお客様のおかげですね。

 さあ、今週も終わっていきます。来週からは再び大きな改善を進めます。仲間のために「抜苦与楽」進めて見ましょう。お母さん産んでくれてありがとうございます。辛いことはあるけれど、やはり生きていることは素晴らしい。

 Have a nice weekend .

社長 松原 史尚

社長ブログカテゴリの最新記事