「変化点管理」

「変化点管理」

9月12日(木)

 最近遂にはJRの車両管理にまで不正が見つかりました、「命を預かる仕事」でこのような事態が起きることに憤りを感じます。原因には日本人の変化点に対する意識の弱さがあるのではと思っています。

変化点管理の進め方(何事もPDCAです)

  1. 何故変化させるのかを明確にする
  2. 期待する効果を明確にする。出来れば目標値まで設定する
  3. 変化させる内容を明確にする(共有する)
  4. 期待通りの効果が出ているのかを確認する(確認責任者を設置する)
  5. 効果の確認を共有する
  6. 変化点の確認をする(些細なことまで含めて変化させたことで、起きた全ての変化を拾い出す)
  7. 変化点による効果の確認と逆効果(副作用)の確認

(変化点管理で大切なことは副作用の確認です。100万円の効果を得るために変化させ、その結果副作用でそれ以上の費用流出をしていることがあります。また、省人、省力、自動化(バカ除け目的)は一層の注意が必要です。このケースは誰も観ていないことになり、後に大きな代償を払うことがあります。⑥で示した変化点の中で副作用になっていないとその時は思っても後に別の不具合がその変化に起因して起きることがあります。薬の治験に似ています。故にどんな些細な変化点すら拾い出して共有しておく必要があります。また、変化を見つけた人には些細なことでも、知識のある人には大問題と感じる人がいて、未来のトラブルを回避できる可能性もあります。

  • 期待した効果が得られない場合には必ず変化させる前に戻して再検討をすること。
  • 期待した効果が得られても継続的な改善を目指しPDCAを展開すること。(⑦の理由から予期せぬトラブルが発生した場合にもいち早く発見する抑止力も持ちます。)
  • 最重要実施事項です。変化を起こした人(起案した人)は、その起案に絶対の責任を持つこと。故に変化点管理シートに起案者の氏名を必ず入れておくこと。起案者は担当者が自身でなくても最後の標準化まで必ず自身の責任として取り組めます。その上で変化を進める部署の責任者の承認を絶対条件とすること。自部署は自身の命と覚悟してください。自らの命と思えば医師の勧めでも鵜呑みにするのでなく治療の効果を自ら徹底して感じ、起案者(医師)に変化点を逐次報告するはずです。

 この他にも知らず知らずに起きてくる変化もあります。変化を口に出しやすい職場の風土も大切です。また、良くある話では、コスト低減などのために調達部署が変わるということなどもありますね。こんな折にも絶対していなければならないことです。変化点管理というと、5M+1E、人(Man)、設備(Machine)、材料(Material)、方法(Method)の4Mと、測定(Measurement)、環境(Environment)といった話から入りますが、私はこうした話を始める時点で既に嫌悪を感じます。確かに大切なことですが、実際に変化を起こすのは管理者でなく現場なのです。「全ては現場で起きている」のです。現場の皆さんにMethod Measurement Material Environment 等といった話が通じるわけありません。このような言葉で管理を始めた途端にプレイーヤーは言われたことだけやるようになります。現在起きている日本中の大きな問題は全てこの感覚から起きたのでしょう。「何も考えない。ただ言われたことだけやる。それが最も優秀なスタッフ」この感覚で一生を過ごす人の人生は何なのでしょうね。人には本来「承認欲求」「自己実現欲求」が存在します。その全てを根本から否定した現在の日本の生産システムこそが「Made in Japan」を根幹から狂わせた真の原因と思います。

マネージャーとプレイヤーの隙間をしっかりと認識しておくべきです。

大切なことは

①      どうしてする (変化者の思い)

②      どうなって欲しい (現場の人にもヨシ 会社にもヨシ お客様にもヨシになる)

③      困ったことはないか 

それだけで十分です。変化点管理をする時の重要点は簡単明瞭にすることです。

 その上で「*些細な変化も教えてください。」と依頼し、報告にはどんなに些細なことでも心からの感謝をすること。意識してでも、変化点管理の主役であるという実感を認識していただくことです。承認欲求、自己実現欲求が満たされる進め方をするべきです。

 ここがないから「指示した人」「指示された人」の間に思いの差が出て後に大きな問題となるのだと思います。

 当社の中でも学ぶべきことが多いと感じる今日この頃です。

 今だからこそ変われます。「自らに変化を起こしていきましょう」

社長 松原 史尚

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