10月15日(火)
昨日のブログの通り今日は昨日行われたおそうじパワーアップ活動の中間報告会について綴ってみたいと思います。
先ずは全体的には素晴らしい活動になったと思います。例外なく全部署活動の内容がここ数年格段に上がっています。昨年より、生産系と管理系を分けて審査するようにしました。手が空いた時に実施できる、また事務系は繁忙期と閑散期がある部署もあるなど、比較的、自由にそうじの時間確保が出来るチームとそうでないチームに進め方に差が出ることを感じたためです。もう一点は当社の女子の活躍です。最近、県庁に呼ばれたり経済同友会の委員に指名されたり、中部経済産業局の働きやすい職場に選出されるなどしているのも、その要因の一つに女性の活躍があるからです。そうじにおいても同じことが言えます。マツバラの女性は大変な力があります。圧倒的な改善力で職場内の環境整備を進めていってくれます。ということで、比較的女性の多い管理チームと生産チームで審査を分けることとしました。1年目は分けた成果は出てこなかったのですが、2年目を迎えた頃から生産系にも目を光らせ始める男子チームが出てきました。今回、鋳造系の生産チームの2グループが表彰台に乗ってくれたことを本当に嬉しく思います。
発表会と言われるように、審査の結果は発表者のプレゼン能力によって大きく変わります。従って、皆大変に練習をして参加してくれていることが発表時にも伝わりました。こうした発表は経験や性分にも影響されますから、若干の得手不得手が有ることは仕方がないのですが、少し反省をして欲しいと思えたグループが2つありました。この二つはその職場の係長が発表していました。ある意味、出来て当然の二人の評価が群を抜いて他の発表者たちよりも低かったということです。私一人の評価であればこのようには綴りませんが、ほぼ評価者全員がそのプレゼンに対して減点をしています。そもそもこの発表は頑張った仲間たちを代表して発表しているということを肝に銘じてください。故に、皆しっかり練習をして臨んでくれているのです。恐らく、係長さんたちは忙しいのだと思います。しかし、忙しいとは心を亡くすと書くということを忘れないでください。次回以降、また仕事の上でも皆の努力を形にするという気概を常に持って欲しいと思います。
さて、先週の木曜日に私が事前の審査の中で綴った通りの結果になったと思います。今日の朝礼で高橋課長が話した通り、快適さというテーマとサブテーマとして「何故なぜ」分析法の活用がありました。ここをしっかり理解できたところが審査の結果上位に行けたと思うという話でした。同感です。なぜなぜ分析という手法に対する、慣れ不慣れもあったかもしれません。この分析法は次回以降も使用できると思いますから綴っておきます。なぜなぜを繰り返すこと以前に、そもそも「真の目的」は何かを考えると良いと思います。現場の巡回では、縦型のカーテンの汚れ、破れが指摘されていました。何故汚れるのか、何故破れるのかと考えるよりも、そもそも何故カーテンが存在しているのかを考えるべきなのです。こうした観点で観るのであれば私の巡回時の質問は一つです。「このカーテンそもそも何のために存在しているの?」です。すると、冬場に風が入ると非常に寒いのでカーテンを使用しています。という回答でした。であるならば、夏場に存在している必要はないのです。つまりなぜなぜ分析として、何故汚れるのか?置きっぱなしにしているからです。何故破れているのか?交換していないからなのです。夏場は撤去し、必要になったら設置する。この考え方が大切です。こうして考えると、汚れるのも、破れるのも、「在るから」なのです。交換の都度新しくすれば良いのです。丁寧にしまえば永遠に使用できるかもしれません。快適さとは見た目の快適さもあると先週も綴りました。意識してみてください。溶解係では、湯が残った時の処理の仕方が課題になっています。インゴットケースを覗いてみると、そこにはジャミ(湯玉やこぼれた湯が固まったもの)が山ほど溜まっています。これでは少しの残湯しか処理できません。結果的に処理する回数が増える、処理しきれないということになります。その結果が良品率を下げることにも繋がっています。そもそもジャミをそこに捨てることは悪くありませんが限度があります。私が現場にいた頃と比較すると捨てられている量は10倍以上になっています。そこにはいくつもの問題点が含まれています。しっかり考えなおして欲しいですが、課題としては湯が捨てやすくする(快適さ)ことの追及です。つまり、そもそも何のためにインゴットケースの中にジャミや若干の砂を入れるのか、それは砂型における離型剤と同じ役目です。インゴットケースから、固まった鋳鉄の分離をしやすくすることが目的なのです。離型剤を噴霧しすぎることでの不良が出ていた時期があります。同じことです。離型のためのジャミの投入がジャミを処理する目的に入れ替わっています。そこが理解できれば、ジャミを別の場所に入れて処理方法を変える。もっと言うなれば注湯スキルを上げて、ジャミを出辛くすることが大切なのです。こうしてジャミ置き場を造ることで、ジャミは出て当然になっていませんか。昔話をすると耳が痛いでしょうが、私が現場で注湯していた頃はこんな風にジャミは出ませんでした。出るのが当然となり景色化しています。なぜなぜ分析に戻りましょう。何故、残湯処理が不快なのか。捨てられる量が限られているからです。捨てられる量が限られているのは、本来そこにあるべきものでない量のもの(ジャミ)が大量に存在しているからです。そもそも「何のために」を理解すると色々見えています。そしてさらに上を目指してください。何故残湯処理が不快なのか、大量の残湯を造るからです。湯の受け方、受ける量、配湯、全てに改善点はあるはずです。これがなぜなぜ分析を繰り返す理由です。是非次回以降に参考にしてください。
最後にこの発想を頭に入れておいてくださいとお願いして締めくくります。「スペース=お金」ということです。今回管理部門で金賞の鋳造技術、生産部門で金賞の「加工係」、取り組んだ内容は共にスペースの確保です。結果としては、仕事のやり易さ(快適さ)を追求したのですが、手法はスペースの確保=必要なものを必要なだけ置くということに徹した結果だと思います。また、使用頻度ということにも着眼しましていました。年に一度しか使用しないものを常に身の回りに置くのかという発想です。前述の造型機のカーテンもこの発想であれば夏には撤去されるべきものです。夏場は逆に密閉して暑くなるから開けた状態で放置され、そこに人が触れたり、物が触れたりを繰り返すから汚れるし、破れるのです。こうした発想こそが非常に大切です。スペース=資産という感覚を常に持ってみましょう。
最後にいつもの大好きなシーンについても写真でアップしておきます。38年経ってもこの景色は常に光り輝いています。それは、この状態を常としているからです。常の形を科学してみよう。年間発表も楽しみにしています。
社長 松原 史尚