10月18日(金)
さあ、週末です。今週もあっという間に過ぎていきました。最近、生産現場にいることが多くあります。マツバラに入り製造の担当として部門長、部長、取締役、担当常務として過ごしてきました。従って、だいたいのトラブルというものは頭の中に入っています。設備にこんな不具合が出ている時には生産数字(パラメータ)がこんな風に変わってくる。それは砂であれ、湯であれ、造型機であれ、金型であれ。だいたいのことは最初に違和感として感じて、良品率や生産性、生産コスト等上がってくる数字の異常から確信に変わって、ほぼどこに問題が起きているのかを見つけ出していきます。ここ数年の中でも何度となく問題を指摘して、ほぼ予想通りの原因により不具合が発生しています。任せないといけないと思いながらついつい口を出してしまうのですが、このままではいけないと思っています。私もいつかはこの場所から去らなければならないのですから。故に様々な変化を見える化できるようにすること。DX等の活用も含めて誰でも変化に気付けるようにしていかなければなりません。AIやIOTの活用も良いのですが、先ずは重要パラメータの管理では常に昨年同月比の数字と比較ができるようにすると良いでしょう。事実、私は違和感があると、先月はどうだったのか、昨年はどうであったのか、一昨年はどうであったのかと変化を観るようにしています。こうした辺りを徐々に科学していき、最終的にDX化出来ると良いと思います。そんな私の感覚を伝えながらDX化が促せたらと思っています。(付け加えておくと、常に私が見つけるわけではありません。ISOのシステムもしっかりしています。変化点管理もしっかりしています。故に、私が見つかなくてもいつかは必ず誰かが見つけてくれます。また、私が指摘するまでもなく発見・対処されることの方が圧倒的に多いのが現実でもあります。)
今は溶解にべったりと帯同しながら「伝承」を意識しています。昨日のブログでも綴りましたが、例えば溶湯の温度を上げるにも手法はいくらでもあります。その中で常に「品質・環境・生産性」の三方ヨシな手法を選択すると結果として最安値の溶解が出来るようになるのです。ただ、日々、もっと言えば時系列的に条件は異なるために、昨日のベストな施策が今日ベストとは限らないのです。そのために重要なことはそれぞれの材料の持つ特質を知ること、各生産条件の増減がもたらす効果・効能について知ることです。材料・条件がもたらす影響を熟知し、その場その場の判断をすることが重要になるのです。とは言え、30年以上に渡って培った感覚がそれほど簡単に伝わるわけではないのですが、それでもこうした「何故」をしっかり頭に入れることで、いつか確実な手が打てるようになります。前にも綴りましたが、鋳物造りは本当に面白い。ある不具合は特定の材料の使用が足らないから起きることもあるし、同じ材料を過剰に入れても同じ不具合が起きることがあるのです。じっくり観察すると、入れ過ぎの不具合と過少の不具合とでは微妙に異なっているのですが、ここも感覚に近いところがあるのです。簡単ではありません。故に今は操業日報を使いながら人が変化を起こした瞬間を捉えながら判断の分析をして技能の伝承を進めています。鋳物づくりは難しいから面白いのです。作業日報の中で起きている変化点を捉えて分析をし、改善点を模索しても導き出した改善策がベストとは限らないのです。故にこうした勉強会の中でも、思いつく選択肢を複数上げて、その中から先ずは環境(リデュース・リユース的発想)面の効果が高い順に選択し、微妙な変化を起こしながらその選択肢が正しいかを模索していきます。次の選択肢として品質面の改善策を模索する。ただし条件は環境面でも効果が有ることを模索していきます。選択肢も複数ある、少しずつ試しながらベストを探っていく。こんなことをしているとあっという間に1日が過ぎていきます。「天国の時間は短く、地獄の時間は長い」、であるならばあっという間に時間が過ぎる仕事はきっと極めて楽しい。極(極めて)楽(楽しい)なのである。これで良いのです。
こんなことを最近は毎日楽しんでいます。そして今週もたくさんの成果がありました。先ずは、生産性が大きく向上しました。初日の品質面は今一つ、それでも改善点を見つけ2日目、3日目としり上がりに良くなっていきました。環境面では初日は〇ですが、品質が伴っていなければ意味はありません。2日目は×。そして3日目に原因をしっかりとつかみ品質〇、環境〇の方向に舵を切れました。それは本当に高校時代に数学のチャートを使って覚えていったような感覚です。私や技術員室の皆さん経験の豊富な現場の皆さんが様々な経験を共有して技術を継承しながら「マツバラスタンダード」を構築しようとしています。
一歩、また一歩と前に進んでいます。来週は更に前進できるでしょう。本当に楽しみです。時代は更に難しさを増すでしょうが、我々は絶対に大丈夫です。まだまだ踏めるアクセル代は無限にあるのですから。
みんさん、良い週末を! Have a nice weekend !
社長 松原 史尚