10月29日(火)
今週の操業が始まりました。朝のキューポラ立ち上げ(出湯)に立ち会ってきました。ここ数週間で大きな進歩を遂げています。私自身も持てる限りの経験とコツを一生懸命伝授しましたが、やはり担当部署の責任者たちの熱意こそが最も大切なことだと思います。感覚として「日々昨日を超えている」という感じがします。「一歩前へ」、継続的にこの感覚が実感できています。その確認を毎日皆で10時半から変化点会議と称してミーティングを行い、担当者の熱意に更に衆知を集めた「Be better」を繰り返しています。良い感じです。結果もついてきていますから本当に凄いと思います。
恐らく、これで今は良いのでしょう。ただ、5年後を考えると今のままではいけない。そう感じています。今日は、出湯時に鋳造部の担当役員もいましたので、社長室にお招きしてじっくりこの先の方向性、「存続していくために」を語り合いました。社長になって15年、ここにきて猛省していることがあります。自分の得意分野については恐らく10年は大丈夫なように育っています。そして今は懸命に自身の技術とノウハウの伝承に注力していますが、自身が苦手な分野が進んでいないのです。これまでは長所進展法で生き延びて来られましたが、それでは生き残れない時代に入ってきたと感じています。実際に操業度が7割を超えない事態が既に1年以上続く中でじっくり経営分析をしてみると、自身の弱点分野での弱さが会社全体の弱さ(ボトルネック)となって社会の困ったが解決できていないことに気づかされました。この分野は恐らくすでに今年からどうするのかといった現状にあると認識しています。当社には行動をする場合の原則を定めています。お客様に対しては、「お客様の真のニーズ解決のために買う立場に立って考え行動します」が原則です。この考え方に則り進めてきたつもりでした。事実、小ロット多品種への対応、人財の確保、設備更新、コンプライアンス遵守、この先の製造業に対する課題はしっかり押さえてきており、特定分野では一定の支持をお客様から得ることが出来ています。ただ、これほど悪い時代の中では本物はとっくに輝いていなければならないのです。その状況にないには、その理由(弱点)がしっかり存在しているのです。こうしてゆっくり現状を担当役員と語り合う時間を持てたことは本当に良かったと思います。
ただ、私には常に与えられた「徳」があると感謝しています、この苦手な分野を強くする人財がここ数年で確保できています。進むべき方向は明確となりました。ものづくりにおけるマツバラのボトルネック解消。そのための行動をしていきたいと決意しました。幸い、私の苦手分野の一つは担当役員の得意分野、もう一つには多くの優秀な人材がいる、しかも若いスペシャリストたちが集う分野です。5年後のマツバラは凄い会社になっていると実感できる日となりました。
さあ、鋳物づくりを愉しみます。当面、「一緒に愉しむ人この指とまれ」の姿勢で社員さんたちと徹底して愉しみつもりです。マツバラの未来は明るい、明るいところには人が集う。人が集う場所にはエネルギーが生まれ大きな成長を遂げていく。
社長 松原 史尚