「給与の手紙」

「給与の手紙」

11月27日(水)

 いよいよ残り2回となった給与袋への社長の手紙を綴りました。会長になると決断して社員さんたちに伝えました。そこから多くの社員さんに「何故このタイミングなのですか」と聴かれました。どんなに口で語っても伝えきれないこともあるかもしれません。またご家族のみなさんにもしっかりとお伝えしたいと考えました。故に今回の手紙はその辺りを綴りました。

 会長になると決めたのは実は今年の春でした。あの頃はもう少し時代が良くなると思っていました。新しく入れた設備も威力を発揮し、万全な収益体制も構築できると思っていました。そして、私がこの会社に入った時に、マツバラをこんな会社にしたいと考えたことが、ほぼ完成できたと感じていたからです。ただ、まさかこれほど戦争が長引き、中東情勢がさらに悪化し、世界規模の不況になるとは思いもしませんでした。一瞬、迷いも出ましたが、一度決めたことは進むべきだと考えたこと、そしてこれほど悪い時だからこそ、バトンを譲るべきだと考えました。

 この会社に入って夢見たこと、①完全週休2日制②女性が活躍できる会社③学ぶことに制限のない会社④臭くない会社⑤有給が取り易い会社⑥外国人、再雇用、多様な人材が活躍できる会社⑦老朽設備の一新(これは社長になってから考えたこと)⑧ヒヤリハットのないキュポラ溶解、①~⑧を通して離職の少ない会社。長い道のりではありましたが、私が「こんな会社にしたい」と考えたこと全てが仲間の協力で実現できたと考えています。本当はもう一つ「販売量に頼らない会社」これも昨年の時点では完成していたと思ったのですがね。それでも損益分岐点操業度が現状65%稼働というのは大きな成長であったと考えています。次のステージにマツバラが上るためには新しいリーダーが必要であると考えたのが一番の理由です。そして、この大変な時代だからこそ、35年の私の鋳物屋人生の経験やノウハウ、知識をこの先の未来を創る仲間たちに伝承していくことが喫緊の課題であると感じたのです。既にものづくりの現場では始めており、成果も出しています。それは社長としては出来ないこと。また、6月(株主総会)を待たずに実施したことは、6月では10ヶ月もの間、新社長は旧社長の方針で経営をしなくてはならないため、激動の時代に即していないと判断したからです。詳しくは、手紙をしっかり読んでもらえたらと考えます。

 今日は夕方から銀行の晩餐会に招待を頂き参加をしてきました。まさに岐阜県を代表する会社のTOP(社長・会長)が集まりました。代表で挨拶をされた方が「まさに岐阜県経済をけん引するTOPの集まり。来年もまたこの会に招待いただけるように、一年精進していきたい。」そのように話されました。同感です。社員の皆さんのおかげで、このような席に座ることが出来ました。来年も新社長を支えて、この席に座れますように私自身も精進していきたいと思いました。

社長 松原 史尚

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