「善いことをせよ④ 圧倒的社員満足の追及」

「善いことをせよ④ 圧倒的社員満足の追及」

11月29 日(金)

 本当に早いものですね、今日が11月最後のブログになります。社長でいるのも残り1月になりました。私は世に偶然はないと常に思っています。従って、思いつくことはそれが大切であり、伝えておくべきあるからだと考えます。しばらくは思いつくままに社長の回顧録を綴りたいと思います。

 社長の期間中に経営理念を「幸福創造道場」から「人を大切にする」に変えました。目指すべき方向は全く変わりません。人とは全ての人を指すのであり、社員さんに特定しているわけではありません。お客様であり、社会の人であり、そして社員さんであり、もちろん私自身も含まれています。お客様の幸福を創造する、社会の人の幸福を創造する。その思いは変わりませんが、道場という言葉に今どきの人とは合わないのではというイメージをしたこと、幸福創造という言葉が何となく少し難しく感じて、単純に「人を大切にする」としたのです。企業理念も変えました、「精研の精神と成功心の原則で」を「圧倒的社員満足の実現で」と変化させました。前述の「人は全ての人を意味する」という話からも少し違和感があるかもしれませんが、実はこの点こそが私の目指した経営像であったのです。圧倒的社員満足はどうしたら得られるでしょうか。単に賃金が高く、休みが多ければ得られるのかという話です。世の中には、こうした企業は山ほどあります。一部上場の製造業の役員が特定技能実習生の定着が悪いと話されます。賃金、休み、福利厚生では圧倒的に一部上場企業にマツバラは勝てません。ただ、マツバラには実習生の皆さんが家族や友人を紹介してくれる。家庭の事情で一時帰国をしてもまたマツバラに戻ってきてくれる。どこにその差が生まれるのか。これが「圧倒的社員満足」を目指している会社からだと思うのです。

 人はどうしたら満足していただけるのか。

 マツバラとて例外ではありませんでした。まだ数年前までは実習生に去られるケースが多くありました。

 何故、突然顔に砂をかけられるような去り方は一度もありませんでした。

 それでも去られるのは何故なのか

 私はマーズローの5段欲求を参考に進める方向を考えました。

1 生理的欲求
 5段階欲求の一番下にある、生きるために必要な本能的な欲求。食欲や睡眠欲が該当してきます。

 実習生の皆さんで言えば、家庭にしっかり仕送りが出来るか。特定技能では賃金をしっかりと支払うこと。

 実習生は賃金に差がないのが原則なので、福利厚生などの充実で可処分所得を増やしてあげる。

 こんなことが重要だと思います。
2 安全欲求
 生理的欲求が満たされると生まれる欲求で、心身の安全が確保された生活を送りたいという欲求です。

 安全教育の徹底、加えて住環境なども含めた安全をしっかりと確保する。

 実習生だけでなく、家族の無事が常に確認できるようなネット環境の充実も大切なことです。

 身の安全を守るには十分な休息も必要です。働き方改革などの充実も目指しました。

 恐らく、ここまでは大手の企業の方がむしろ充実しているのではと思うのです。

 むしろ、これ以降の欲求に応えられているのかが大切なことだと思うのです。


3 社会的欲求
 帰属欲求ともいわれ、他者から評価されたいという欲求です。組織に属し、自分の存在が必要とされることで満たされていきます。

 マツバラでは改善提案制度があり、私が全て目を通しています。育成面接も実施をします。

 この仕組みは実習生であっても例外ではありません。こうした制度を通じて、やる気のある皆さんには重要行程のオペレーションも任せていきます。

 単に、オペレーションだけでなく、メンテナンスも任せていきます。そして、そのために必要な資格であれば、実習生であっても関係なく取得をしていただきます。

 最新鋭の翻訳機能や教育システムを使用し、日本人同様のトレーニングも実施していきます。

 実際現状は溶解工程、鋳物工場の最重要工程すら特定技能の皆さんが担ってくれています。

 こうなると、永年にマツバラで勤められるような資格の取得を目指してくれるようにもなります。

 もちろんその資格取得のための費用も全額マツバラが負担をします。

 少し変わりますが、社員旅行にも同じように行ってもらいます。外国籍の皆さんには、日本の名所に会社負担で旅行に行けることはとても良いことのようです。こうした皆さんに参加いただくには最低限全体の半分以上の社員さんが参加していなければ福利厚生費では経費計上できません。昨年は7割を超えて参加してくれました。子育て世代や仕事の関係、家庭の事情で、どうしても参加できない時期はあります。それでも過去に参加したことのある比率は9割を超えています。こうした会社の雰囲気も帰属意識を高めることになっているのかもしれません。


4 承認欲求
 他者から尊敬されたい欲求。世間や所属する組織から、能力や人としての価値を認められることで満たされます。

 実習生の皆さんが永遠に勤めてくれることを願いますが、いつかは帰国する必要が出ることは仕方がないことです。社員さんの家族を含めた幸福を望むのであれば、こうしたケースでも背中を押すことは大切だと思っています。20歳代の若い時に日本に来ても、変える時には30代に近づいているケースもある。その時に帰国しても確固たる収入が得られるためには、そのスキル、能力を持っていることが大切なのです。帰国しても、エンジニアとして十分に活躍できるスキル、それを超えてマネージャーとして働けるほどのスキルを身につけてもらう。それがマツバラの目指す姿です。

 ブログや給与の手紙を通して、マツバラの仕事が如何に社会のためになり、社会に貢献しているのか。ここを日々語り続けることも重要だと思います。父の時代から40年近く続けていることです。


5 自己実現欲求
 最上層にあり、見返りは求めず、理想の自分になりたいと思う欲求。下層の4段階すべてが満たされて初めて生まれるとされています。

 今、そして未来においても、自身が社会に役立てる存在で居続けることが出来る。それが自己実現につながると思うのです。

 実習生の皆さん、特定技能実習生の皆さんを例に取りましたが、全ての社員さんたち一人ひとりに向けた「社員満足」を目指しています。

 このように社員満足は、社員さんだけでなく、家族、母国、そして地球全体に役立つことで、承認欲求を満たし、自己実現欲求へと繋がっていく。

 そしてどうでしょうか、実習生の皆さんが帰国し、勤める会社でその国の産業のために役立つのではないでしょうか。いうなれば、実習生の皆さんの母国の「人」への「満足」にも繋がっていると思うのです。

 「人」とは全ての人と位置付けるのはこうした意味です。そして、社員満足とはこうした社会の中で役立ってこそ、生まれるのだということです。

 進めてきた働き方改革や、賃上げ、それは生理的欲求、安全欲求を満たす上で重要で、そこが無ければ何も始まりません。

 しかし、それだけではないということです。

 そして、この社会的寄級、承認欲求、自己実現欲求への取り組みを進めることで、人は信じられないような力を発揮します。

 そこを目指していくのが、経営なのだと考えます。

 どうかこの先を創っていく皆さんにも心において欲しいと思います。

 さあ、週末です。皆さん素敵な週末を過ごしてくださいね。

社長 松原 史尚

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