「よい人生化も そしてこれからも」

「よい人生化も そしてこれからも」

12月12日(木)

 今日は色々な面で苦楽をともにした友とゆっくり時間を過ごすことが出来ました。戦争というものは本当に人の心を病んでいくのか、私自身も私自身でないと感じることが多くなってきていました。今日はゆっくり自分の人生を振り返ることが出来た気がします。

 随分たくさんの失敗もしました。でもその失敗の中でただの一度も自分勝手な判断や行動から失敗したことはなかったと確信しています。多分、困っている人を見るとほっておけないのが性分なのだと思います。「助けてください」「お願いします」と言われると断れないのだと思います。幸いに保証人になって欲しいとは一度も頼まれたことはなかったのですが、恐らく過去に頼まれたらなっていたかもしれない。でも、社長という立場になってからはその立場に守られたのかもしれないとも思います。代表取締役というものになってからは、実印は常に会社の金庫の中に保管されていて、自分のものであって自分のものでないのです。持ち出すには、私と言えでも総務部長の許可が必要になり、何に使用するのかを説明しなければならない。つまり、誰かの保証人になるなどは絶対に出来ない仕組みが取られている。故に、超お人よしでも人生を狂わせるほどの失敗は出来なかったのでしょう。会長になっても、代表権はあるからここは変わらないと思います。頼まれたことも無いが、頼まれてもなることは出来ない。でも借金は何度も頼まれた。何度も貸しました。それは誰にでも貸すということではないわけで、それだけの人間関係があり、最後に頼る所もなくやってきたケースが全てです。それでもただ貸すのでなく、この先人生をいかに生きるかをしっかり聴き、出来る限りの助言や、出来る限りのその後の生き方の支援を約束して貸してきました。正確には覚えていないが、10人以上には貸していると思いますが、3人を除き全て返ってきました。1人はまだ再建中なので、色々応援しようと思っていますが、二人は音信不通です。きっと二度と会うことも無いかもしれません。この二人には共通点がある、本来返すことが出来るタイミングはあった。明らかにV字で回復した時があったのです。それはアドバイスしたように「儲ける」のでなく「役立つ」、「有難う」と言われることを人生の仕事とすることを守っていたから出来たことなのですが、再び頂点に立つと「有頂天」になってしまうのでしょう。悪かった頃の昔の自分を忘れ、今度は頼ってきた仲間や、せっかく一緒に働いてくれている社員さんを丁寧に扱わなくなる。そうなると元の木阿弥である。元の木阿弥、良い言葉だと思います。阿弥陀仏(仏像)もお正念が入っていなければただの木にすぎない。せっかく「人の役に立つ」「有難うと言われる」ことを人生の目的にするという「お正念」をいれたのに、そこを忘れれば元の木阿弥に戻るだけです。そして見る結末は言うまでもないのです。そして、次は顔を見せることもない。

 こんな性分で経営をしてきたので社員さんにも迷惑をかけたこともたくさんある。困っているお客様や協力企業さんを見るとほっておけなかったのです。安請け合いで、社員さんを困らせたことも多くありました。家庭でも同じである。裕福にお金があるわけでもないのに人に貸したり、身銭を切っても助けたりしてしまい、嫁や子どもの依頼に応えられなかったことが何度もある。特に弱いのは母の悲しい顔で、母親を苦しめる全てを黙って飲み込む癖は永遠に抜けないかもしれない。まあ、考えてみると「塞翁が馬」「結果オーライ」ということが多かった気がする。実際、社員さんたちも普通に「お客様の困ったを解決するのが私たちの仕事」をして、何か問題が起こると「それ自責で考えている」という言葉が習慣の会社になっています。社会に役立ち「有難う」と言われることを使命(自らの責任)としてくれる社員さんばかりになってきました。もうこうなれば、絶対に大きな失敗することはありません。そしてこうなれたなら誰かに言われて行動するのではなく、自らの意志で歩み始めるべきです。その方が、人生はもっと楽しいと思います。社員さんの幸せが私の幸せです。

 株式会社マツバラの社長は変わりますが、グループすべての代表であり、まだまだ社長として頑張らなければならない会社や事業もある。もっともっと大きな視野で「有難う」と言われることを探していきたいと考えています。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。(皆が)話し合い、(お互いに)耳を傾け、(お互いを)承認し(あって)、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず (私の最後の役割かと)(山本五十六)

 会長になる「時来たれり」!信頼し感謝する。そんな気持ちでこれからは会長ライフを進んでいきたいと思っています。

社長 松原 史尚

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