12月19日(木)
広島県にある古くからのお客様に会長就任のご挨拶に行ってきました。父も先代の会長様から多くの学びを頂戴し、数多の不況の中で多くの受注を頂戴して助けていただいた恩があります。人と人との交流も多く、これからも大切にされる企業であり続けたいと考えています。アメリカから帰ってきた折にも最初に訪問させていただきご挨拶に出向いたのもこの会社でした。それこそ帰国した翌日に連れていかれたので、時差ボケと移動の疲れで起きていられなかったのを憶えています。社長様からは、二頭政治にならないことを念押されました。大切なことだと思います。昨今の経済情勢の中で、何かしらの大きな変化を起こしていく、それは縮小をするのか、根本的に造り方を変えるとかを考える必要があるかもしれません。お互い頑張りましょうと声をかけていただきました。どこまでいっても最新の設備は大きな力を発揮します。中小企業にはその(大型設備投資)力が在るわけでもなく、中国が大きな投資をして建設するアジア各国の鋳物工場、巨大資本が建設するヨーロッパの工場と戦うことは非常に難しいことです。特に日本の鋳物工場は永年培ってきた社風のようなものがあり、巨大資本にバイアウトして設備の最新化をするといったことも難しいでしょう。本来、鋳物造りは産業の基本で、国が大きな支援をしても強化していくべきでしょうが、国にはこうした理解があるわけでもないです。半導体に5000億円もの巨大予算を補助して強化していくようだが、過去の経験でも10年もこうした分野が栄えたことはない。結果価格競争になり、国際競争で再び落ち込んでいく。何度も繰り返したことを再び繰り返そうとしている。ただ、誰かのせいにしていることでは問題が解決できるわけでなく、故に、大きな変化が必要だと諭されました。同感です。営業、業務等でお世話になった役員様とは30年近いお付き合いですが、その出会いはアメリカの空港でした。たくさんの思い出話をすることが出来ました。思い起こすと無茶苦茶な営業をしていたと思います。ただ、無茶苦茶だったから記憶に鮮明に残して頂けたかもしれません。受注ということでは、業界全体で良い話を一つも聞かないという点では一致しました。「どうなってしまうのかね?」そんな話まで出ましたが、結果結論社長様のお話(CHANGE)になるのだと思います。恐らく、それは改善といったレベルでなく、根本から企業の在り方を変えるようなチェンジすら検討することが必要なのだと思います。そのためには、既存のやり方にどっぷりつかった私でなく、全く新しい感覚で臨むことが望ましいと考えたのです。それが会長になる一番の決断の理由の一つでもあります。そして、新たな時代が幕あける前は、これまでのような野球で言えば12対10で勝つような乱暴な経営でなく、当面は1対0のような徹底して失点を無くす経営で勝ち続けることも大切だと考えます。その守りを徹底するためにも、生産現場の改善を徹底して社員さんたちと進めながら、新社長を盛り上げていきたいと考えています。
アメリカでは新政権が誕生します。諸悪の根源は「戦争」だと確信します。この戦争が全ての産業の循環を止めています。しかも以前とは異なり、ミサイルやドローンを使用した空中戦争が主力となり、戦闘機すら使用されることが無い戦いです。一部軍需関係産業が潤うのみで、他の全ての産業が疲弊しています。それは全てのものづくりの根幹をなす鋳造業が全ての業種で停滞していることが示しています。世界中の選挙で与党が大敗しています。2022年3月に勃発し、来年3月で3年を経過し、4年目に入ってきます。世界の人々の戦争への「NO」の意志が徐々に鮮明になってきています。故に、来年度こそは戦争も終わり経済が好転し始めると信じています。それでも、現状の環境下でも勝てる企業であり続けるための動きを起こしていかねばなりません。会長就任はその決意の表れです。会長就任がマツバラの成長の起点になったと社員さんたちが確信してくれるように新社長と頑張っていきます。
本日は多くのお時間を頂戴できましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
社長 松原 史尚