12月18日(水)
先日の茨城県への出張に続き、今日は岡山県に大切なお客様の所に来させていただきました。今は営業活動をするには非常に難しい時代と思っています。業界の中で価格競争を行い、仲間の仕事を略奪するような行動をしないことが基本的な営業指針になっています。この指針を守り続けるが故に鋳造業界は不況にも強いのだと思います。昨日綴ったように理念にも近い考え方が存在しているのだと思います。しかしリーマンショック以降、というよりは恐らく現社長に変わられてから、こうした業界理念を無視したような行動をする会社が見られるようになってきました。そして今、鋳造業界を取り巻く産業のほぼ全てが不況という時代になり、理念に則した行動を取ってきた会社とそうでなかった会社に大きな差が出始めています。これまで無茶苦茶と感じるような価格で薄利多売をしてきた会社が突然、3割、時に5割といった値上げをお客様に押し付けています。お客様の企業環境が良い時であればそれも良いのですが、今はお客様(社会)にとっても逆風吹き荒れる大変な時代です。この時代における、こうした行動は正に理念がないのだと思います。
少し話がそれましたが、こうして仲間の仕事は取り上げないことを基本的な考え方としながらも、海外に流れていく仕事に歯止めをかけること、また海外に出て行った仕事を取り戻すことには全力で取り組みたいと私は考えています。日本はものづくりの国「Made in Japan」の誇りを今こそしっかりと持つべきです。そして全ての理は循環の中に生かされると考えています。故に日本の未来のために、今こそお客様との共闘が大切なのだと考えています。これまで何度も本日のお客様を訪ねていますが、社長様にお会いすることが出来たのは初めてのことでした。当社のホームページをしっかり観られて今日のお時間が頂戴できたようで、その中で感じた多くの質問をしていただけました。しっかりお答えした上で、今回の出張の思いをお伝えすることが出来ました。日本にものづくりを残すための共闘がしたいこと。そのために先ずは私たちがどのようにお客様に役立つことが出来るのか。現状の当社のボトルネックを説明させて頂き、その解消をすることでコスト低減を実現させ海外の製品に対する競争力を持たせていく施策について説明をさせていただくことが出来ました。社長様、重役様には新年に入り可能な限り早い時期にマツバラへの訪問をしていただけることになりそうです。有難く、そして今回の出張に大きな意味があったと思います。新社長を支え、少しでもフォローの風が吹かせられるような動きが出来たらと考えています。経営のバトンは渡しますが、まだまだ私の持つノウハウを仲間たちに継承していくべきことがたくさんあります。それはきっと社会(お客様)の「困った」を解決することになると思うので。ということで、良い出張が出来ました。明日は、広島のお客様に訪問します。ここでは営業活動でなく、会長になる報告です。同業者であり、お客様である会社様で、アメリカから帰国した時に親父に最初に連れてこられた会社です。今では何故そうであったかも理解することが出来ました。社長としての15年のお礼、そしてこれからの方向性、新社長への変わらぬ支援をお願いに行って参ります。
社長 松原 史尚