12月17日(火)
今日は理念協会の勉強会に参加してきました。理念とは、「根底にある基本的な考え方・思い・志」といったものとして私は捉えています。経営を始めるようになって何となくこんな会社にしたいという思いもありましたし、父や祖父の代から受け継いだ「社是」や父が示した経営の基本的な考え方「精研の精神と成功心の原則を実践する」という理念もありましたが、何となくスッキリしませんでした。その中で、地元の経営者仲間に誘われて理念経営強化の勉強会に参加するようになりました。それは社長になった年であったと思います。それこそ毎週のように勉強会に参加していました。そして、自分なりに腑に落ちる、本当に自分が目指したい、そして会社をこうしたいという思い、別の表現で言うならば「人生を生きる上での思い」を確信に変えることが出来ました。今ではこうして年に数回の勉強会に参加し、今一度、自身の志を振り返るようにする機会を設けることで、ぶれない経営が出来るようになったと考えています。今日の勉強会で共に学んだ仲間が人生理念って何だろうかというディスカッションの中で「人生理念を持っている人はどんな社会的な課題・ピンチに遭遇しても非常に強く、結果的に何とかしてしまう。観ていて、自信というかオーラといったものが漂ってくる。一方でそうでない人はどんなにフォローの風が吹いてもその風に乗っていけない」とい表現をされていた。私も同感です。
それは誰かの請負でなく、自身でしっかりと表現できるものでないといけないと思います。当社(私)には経営理念(社長の経営をする上での根底にある考え方・思い・志)と企業理念(企業活動を行う上での基本的な考え方)が存在しています。基本的には経営理念は私の人生をかけて向かっていく方向であり不変のもの、企業理念は経営理念を礎にしたその時代に即した基本的な行動指針(会社の存在意義)だと捉えています。
経営理念 (社長の経営に対する考え方) 「人を大切にする」 |
「人」それは社員、そしてそのご家族様、「人」それはお客様、地域の皆様、「人」それは地球に存在する全ての人々。全ての人に役立ち、地球と共存できる「持続可能な鋳物つくり」を進めていきます。
企業理念 (会社の存在意義) 「三方良し=社員満足・顧客満足・地球満足」 |
私たち株式会社マツバラは、鋳造業です。鋳物は産業の礎であり、様々な鋳物が地球社会を支えています。その一翼を担い、社会に必要とされる部品を「未来永遠に提供できる鋳物つくり」を進めていきます。
①私たちは常に「自責」の念で知恵を出し、日々目標を持った行動で改善を進め、自身と仲間の繁栄と幸福を創造していきます。
②私たちは、社員満足の向上に努め、「人手不足社会」の手本となる働き方改革を展開します。
③私たちは世界共通の課題である地球温暖化防止のための行動「カーボンニュートラル」に向け、業界の手本となる鋳物づくりを展開します。
④私たちは、お客様の立場に立って考え行動し「お客様の困った」を解決することで「技術のマツバラ」と信頼される存在であり続けます。
⑤私たちは、持続可能な社会活動を具現化する世界共通の目標、SDGsの達成のため、業界の手本となるSDGs型、鋳物づくりを展開します
⑥私たちは、白の作業着が似合う職場環境を「おそうじパワーアップ活動」で再構築し、常に笑顔で仲間にあいさつする「あいさつ運動」の展開で居心地の良い快適な空間を構築していきます。
経営方針書には記されていますが、こうして振り返ってみることは時に本当に良いことだと思います。間もなく、会長になっていきますが、社員の皆さんどうでしょうか、私は理念に沿った経営が出来たでしょうか。社長になり15年、フォローの風を感じたことは一度もありませんが、冒頭に綴ったようにどんな時代でも必ず「何とかなる」そう思い続けることが出来たのは、理念があったからだと思います。新社長にも自身の基本的な考え方・思い・志をしっかり持ち続けて欲しいと思います。しっかりとした考え方、思い、志は感じることが出来るから後継のバトンを渡したのです。それでもしっかりと表現しておくことは大切です。それは参考にはしても、継承する物でなく自身の腑に落ちる表現であるべきです。596年続くマツバラの家紋は「三つ団子」、これは武家であった松原家は「社会ヨシ お家ヨシ 家臣ヨシ」からスタートしたものであったと聞きますが、非常に理に適ったものだと私は思います。歴史の示す、継続の力は特に参考にすると良いと思います。その上で自らの進むべき方向を見つけてくれることを願っています。そして願わくは、フォローの風が吹きますように。
社長 松原 史尚