12月23日(月)
社長として議長を務める最後の早朝会議、部門経営者である参加者の皆さんに経営をする上で大切だと考え私が実践をしてきた3つのことを話しました。
1.資本=人・もの・金を大切にすること。
若干の負荷があったとしても資本と言われるこの3つは少し余分に持っていることを常とすることが良いです。キャッシュフロー(お金)は言うまでもありませんが、人も同じことが言えます。人には欲求が存在しますが、根底にあるのは生理的な欲求です。人が少なくなると残った人への負荷が高くなっていきます。社員さんへの過負荷、このパターンで離職が始まると雪崩のように人が消えていきます。1億を超える費用を使い、1割の人員を増やし今の休暇の取り易い会社にしました。無駄に見えても今のマツバラの最大の戦力は人が確保できていることです。物量も同じことが言えます。いつかのブログで父が社長時代、今のように大型の不況下の中で大手の鋳物工場の縮小によって溢れた仕事を驚くほど安い値段で受注してきたことがあります。付加価値的には35円/kgレベルで約200tの物量でした、理屈的には月額700万程度経営改善と思われましたが実に1200万円レベルの効果になりました。少し余分でちょうど良いくらいの感覚を大切にしてください。
2.循環を意識した経営をすること
全ての働きは循環の中で成り立っています。上で綴った200tの受注が予想をはるかに上回るコスト効果を出したのは受注した製品だけでなく、共に循環する既存の製品の付加価値を上げたことで起こりました。人でも同じことが言えます。特に人は年を重ねます。永遠に存在する人はいません。そのために技術技能の伝承を繰り返しながら循環を維持させることが大切です。また、ボトルネックは正に循環の中の弱点という意味で、改善を進める上で重要となる考え方です。社会のボトルネックが社会(お客様)の「困った」を産み出し、その「困った」の解決こそが付加価値を生み出すのです。常に社会(お客様)の「困った」を意識すると良いでしょう。また製造現場でも鋳物造りは循環しています。風も循環して鉄を溶かし、砂も循環して鋳型を作り、材料も循環します。そこに生まれる変化点(差)=ボトルネック(弱点)をしっかりと捉えることが出来たら自然と改善は進むようになります。いうまでもなくお金も循環させることです。50万をケチって、1000万円を損するようなことは製造現場ではよくあることです。酷い時には数千円をケチって、1000万円を無くす時すらあるのです。循環を意識し「何故」を大切にして、必要なことは迷わず進めると良いでしょう。
3.5現主義で判断をすること
現地、現物、現実、原理、原則、資本、循環を踏まえた経営をする上で言うまでもなく適当な判断で進められてはいけません。しっかりとした計画の上で進められなければなりません。その上での絶対的な物差しとなるのが5現主義です。最近ではエビデンスという表現もされますが、常に意識をすると良いでしょう。
会社の経営は方針に沿って進められなければなりません。従って、新社長が出す方針には会長である私ですら従っていくべきものです。しかし、その方針を実現する上でも以上3点は非常に重要なことだと思います。是非意識して欲しいとお願いしました。
今日は改善提案の表彰式が朝礼の中でありました。今回も全部署、全員が目標の提出件数を超えて改善の提案を出してくれました。上の3つでは話していませんが、経営をする上で「決め事遵守」も極めて大切なことです。あいさつ、環境整備、挙げだしたらきりがありませんが、当たり前が当たり前にできる会社は非常に強く、例外なく業績も上がっていきます。上の3つに合わせて重要視出来たら良いと思います。
社長 松原 史尚