「おそうじパワーアップ活動」

「おそうじパワーアップ活動」

11月21日(月)

環境整備には経営を良くする力があります。それは多くの優良企業の関係者が語っていることであり間違いないと感じています。

特に、今日のように一日工場を止めておそうじをすることには大きな意味があると感じています。製造業ですから、目先は確かに操業をした方が価値があるのでしょう。しかし、結果として大きな設備の不具合による稼働停止や品質異常、それ以上に大きな労災が起きてしまったら、その損失は1日が稼ぐ付加価値の比ではありません。

損して得(徳)を取るという感じなのかもしれないとも感じています。今日のおそうじパワーアップ活動では2つのビッグイベントがありました。

一つ目は地域清掃です。朝から2時間周辺の半径2キロ程度のゴミ拾いをするのですが、以前にも話したようにこの活動を始めて既に10年を経過しています。今回のゴミ拾いで集まった量は写真の通りなのですが、以前はこの5倍ほど収集することが出来ていました。このように1度の地域清掃で拾えるゴミの量が減ったのには明確に2つの理由があります。1つには、地域清掃をする会社が増えたこと、当社とは別の日に地域清掃をされている企業をよく見かけます。そうした姿を見かけると、車を止めて「いつもありがとうございます」と声をかけるようにしています。こうした活動は皆に拡がっていくと良いと感じています。私たちも多くの人に「ありがとうございます」その声が励みになって活動が継続されてきました。「ありがとう」の言葉には力があります。一時の活動でなく継続してもらえると嬉しいです。そして2つに、恐らく捨てる人が減ったということ。これも以前紹介しましたが、当社の工場裏から下手にかけて6月には大量のホタルが群生します。この河川敷には全くゴミが落ちていることはありません。私が1回/週必ずゴミ拾いに行くのですが、ほぼ拾うことはなく、多い時で本当に2個、3個の飴の袋やたばこの吸い殻を拾う程度です。ここも15年前は小さなゴミ袋一つ拾えるほどゴミがあったのです。時に、不法廃棄も良く見ました。しかし、最近では全くありません。エンゼルスの大谷さんは、今でも球場(フィールド内)のゴミを拾うそうです。そして、徳を拾うと言われるそうです。同感です。そして、徳は得になる。優良企業の多くが寛容整備に力を入れる所以かもしれません。しかし、そこに共通するのは得を求めてやっている企業はないと言うことです。

もう一つのイベント、それは体積粉塵除去です。鋳物づくりは、大量の砂を使用し、そして多くのカーボンを使用します。この石炭と砂埃が熱による上昇気流で舞い上がり、様々なところに堆積していきます。この堆積した粉塵を落とす活動をします。先ずは上からエアで吹き飛ばし、その後に床に落ちた粉塵を除去していきます。それはそれは大変な作業です、防塵マスクの着用、防護服の完全防備、危険なウイルス等は存在しませんが、それに立ち向かうような完全防備で行います。しかし、この作業があるからこそ、当社の作業環境が維持できているのです。堆積する粉塵は、柱や設備の上で山を造ります、この山が少しずつ高くなっていくのですが、この山が少しずつまた崩れて下に落ちてくるのです。当社に見学に来られる、同業者さんは東の端で工場見学を終えるのですが、その折に後ろを振り返り、西端まで見通せる位置で「粉塵が見えませんね」このように話されます。鋳物工場の特有の景色です。舞い上がる粉塵、そして上から落ちてくる粉塵が光に照らされて、キラキラと光るのですが、当社にはそれが見られないと言うことです。同じ製造プロセスですから発生はしているのです。しかし、こうした地道な努力が工場の環境を支えてくれています。以前に話しました、工場東端にある湿地帯、そこに群生する希少植物(関市指定天然記念物)も、この作業がなければとっくに消滅しているでしょう。冒頭の話のように、こうした工場内の環境整備は安全、品質、生産性に直接寄与しますので得をするのですが、毎年多くの人を魅了するホタルや天然記念物を守る活動でもあり、徳を積んでいることもあるのでしょう。

社員の皆さん、本日もお疲れさまでした。ありがとうございました。今日も一日良い日になりました。

社長 松原 史尚

社長ブログカテゴリの最新記事