12月26日(木)
今年最後の操業はしっかりと無事に終えてくれました。経営者として「無事」ということが何よりも大切なことで、嬉しいことだと最近思います。ここまで続けてきたブログも今回で「エピローグ」を綴ろうと思います。ブログを終結すると決めたときからどんなエンディングにしようかと考え続けていたのですが、結局良い思いつきも無く、いつものように思いつくままに綴ろうと思います。
ブログを始めたきっかけはリクナビネクストで求人をした時に一人の採用も出来なかったことでした。長く続く企業で地域ではそれなりに信用もあると自負していました。またそれほど求人に困ったことはなかったこともありました。募集をすると過去は必ず何名かの応募を頂けていました。しかし、全く採用することが出来なかった結果を受け、「何故か」を真剣に考えてみました。転職を考える時、転職を決めて例えばリクルート系の情報ソース等で企業の情報を得た後のネクストステップはその会社のホームページ(HP)を見ることだと思います。それほど大切な情報ソースなのに、マツバラのホームページはその時5年以上全く更新されていなかったのです。5年の間、何かしらのニュースがあった時には「What’s New」というバナーがありそこに記事が載る程度の更新をしていましたが、ぱっと見全くの変化がない事態が続いていたのです。転職を考える人であれ、新卒の就職希望者であれ、お客様であれ、このような会社に何かを頼もうとは思わないとか確信します。本当に猛省をしました。その上で、HPを一新しようと決意しました。ただ、一朝一夕に一新できるものではありません。お願いする会社を決め、一新を担当してくれるメンバーを人選しキックオフをしましたが、構成から完成まで最低で半年はかかると言い渡されてしまいました。それでは半年間何もすることなくじっと待っていることになってしまいます。現状に大きな危機感を持っているのにじっと立ち止まっていなければならないことは苦痛以外の何物でもありません。こうして始まったのがブログでした。ブログであれば過去の古いHPでも日々更新が出来ると教えていただけたので「社長のブログ」として毎日更新を始めました。スタート当初は土曜日も日曜日も大型連休も綴っていました。多くの社員さんが観てくれるようになり、少し間をおいて実施したリクナビネクストによる社員募集ではたくさんの応募を頂けることが出来ました。「社長のブログを観て応募しました」、このように話してくれる方も複数お見えになりました。そのうち社員さんから、「社長、土日や連休にまで綴るのは止めた方が良いと思います。社長のイメージが仕事オンリーで社員にもその感覚で接しそうだと感じられると思います。実際そうでないのですから、ありのままの社長で綴ってください。」と言われ、確かにそうだと思いました。そこからは出勤日にだけ綴るようになりました。
このように最初は求人に役立てばと思い始めたブログでしたが、多くの社員さんが毎日読んでくれていることに気づきました。そして「社長、昨日のブログ・・・」と話しかけてくれることが多くなりました。特に会社で起きた嬉しかったことを素直に綴った時には、褒め称えた社員さんから「社長、そんな風に感じてくれたのですね、嬉しかったです。」と反応を頂けるようなことが多くありました。感じたままに綴ってきましたがここまで続けてきて素直に感じることは「思っているだけでは伝わらないということ、そして飾らず、嘘をつかず、正直に綴ること。あとで話せばという感覚でなく、今、その瞬間に伝えることの大切さ」です。時にブログは難しく、誤解を与えてしまうようなことも何度かありましたが、幸いに傷ついた人たちはその旨をしっかり伝えてくれました。私の考えと伝わっている内容が喰い違っていた場合には先ずは詫びて、私の確実な思いを伝え直しました。ブログを綴り始め、自分の今の気持ちを率直に社員さんに伝えたことで、このように社員さんが話しかけてくれるようになりました。その結果、社員さんとの距離が縮まり社員さんも自身が考えていることを伝えてくれるようになりました。前述HPの作成では、私の思いも思い切り語りましたが、実際には多くが却下されました。結果的に、HPが一新されて応募をしてくれる社員さんが本当に増えました。新卒の学生さんたちが毎年入社してくれるようになりました。結果が示すように、新しいHPは最高の出来だったのだと思います。こうして社員さんたちの考えが直接聞けるようになり、「As you(社員さん)like」が大きく進みました。2023年、多様な人材が活躍する働きやすい中小企業15選に岐阜県で2社紹介された内の1社にマツバラが選ばれたのも大きな誇りです。
ブログを始めていつの頃からか人が辞めなくなったと感じ始めました。また、このブログを社員さんだけでなく多くの人たちが読んでくれていることにも気づきました。ただ、それでも対象は社員さんに向けた私の思いであり、飾ることも、偽ることもなく発信をしてきました。私の社員さんへの思いを勝手に綴っていたスタート当初、社員さんの思いを聴いて実現していきました。しかし、いつの頃からかブログで綴り、私が願ったことを社員さんたちが実現をしてくれるようになってきました。最近、そうじのリーダー会議に操業日にも拘らず全員が5分以上前に集合してくれたこと、改善提案を全部署、全員が提出してくれるようになったことを「本当に嬉しい」と綴りました。これはいつかの日に決めたことが守れない仲間たちに「悲しい」と素直に綴ったことです。人手不足社会の中で社員募集に転び、HPの不具合を猛省して始めたブログがいつの日か私自身を大きく成長させてくれていました。ただ、たくさんの皆さんに多くのコメントを頂戴できたこと、社員さんたちに率直な感想を頂けたことが、その一番の要因でした。
不思議なことに、このブログ一度も綴ることを「苦」と思ったことはありませんでした。今、改めて感じることは「続ける」ことの大切さです。社長を交代するにあたり、最初にリクエストをしたことはHPの一新です。一新ですから、根本から変えることが重要なのです。社長として毎日そうじもしてきました。社長室を新社長に譲るために、今日のそうじは社長室から私物を一切持ち出すことをしていました。そんな折、今から25年以上前に親父が光好(弟)に社長を譲るときに会長の職務を明確にした文書が出てきました。詳細は綴りませんが、譲ると決めたら徹底して譲るということです。
ただ、最後に人は生きている限りは一生が勉強です。私もこの先も社長を支え、また別会社の社長として一生涯の精進を続けていく所存です。誰かのお役に立っていないと生きていけないこの性分は変わることはありません。日々、誰かのために生き続けていきます。
今まで読んでくださり、本当に有難うございました。会長になりましても、これまで同様、気軽に叱咤激励が頂戴できますことを心からお願いしまして「社長のブログ」のエピローグとさせていただきます。
皆さん、良いお年を迎えてください。素晴らしい2025年になりますことを心から祈っております。
社長 松原 史尚