「地元小学校の生き方教室に講師として参加させていただきました」

「地元小学校の生き方教室に講師として参加させていただきました」

12月2日(金)

 3人の子供たちがお世話になり、巣だっていった小学校に生き方教室の講師として参加させていただきました。先週は、娘が「学校の歴史」と題した、自分たちの頃の学校の様子や行事などを紹介する行事に20代代表として参加しています。2週続けて、親子で地元の学校のお役に立てて嬉しい限りです。

 さて、私の役割ですが、先ずは自分がしている仕事の簡単な紹介です。鉄が溶けている写真を見てもらい。「この溶けている鉄の温度は何度位だと思いますか」300℃、500℃、1000℃、だんだん上がっていきますが、終始一貫1500~1600℃と正解を口にする子が一人いました。「すごい!」知っている子がいました。続いて、「このように金属を溶かして加工して部品や道具を造る。こうした金属加工の仕事は何年前に始まったと思いますか」と質問すると、30年、100年、300年、500年とだんだん上がっていきます。「メソポタミアの壁画には仕事の様子描かれており、最短でも5000年以上は続いている仕事です」と紹介すると、皆さん一気に驚きモード、そしてしっかり集中して話を聴いてくれました。つかみはOK。その後、何故この仕事に就いたのか。やりがいや大切にしていることは何か。地元でで働く喜び。将来への夢や希望。というテーマで話をしていくのが学校からのリクエスト。

 最初は、出来ればこの仕事をしたくはなかった、でも『お客様の困ったを解決し、お客様に「ありがとう」「すごいね」と言ってもらえることで、やりがいが出てきました、今では小さなもの、薄いものを造らせたら「世界一」だと思います』と話しました。実際は世界一とは主観的に勝手に話しているだけで、その確証はどこにもない。子どもたちに少しでも夢ややりがいを持ってほしくて、少し大げさに話したところもあります。講演終了後の質問タイムでは、質問というより感想的なコメントが子供のですがたちから寄せられました。皆何かしら学んでくれたようで良かったと思います。講演が終わってから、「私はネイリストになりたい。」「今は明確にどんな職業に就きたいとかは無いのだけれど。」と話してくれる子供たちがいました。そこで精一杯の応援メッセージを送りました。

 第2クールでは、思いがけず質問は先生からやってきました。『今の子供たちは自分に自信の持てない子が多い、私自身も28歳、今は教師をしているが自信といったものはありません。自らの会社を「世界一」と言える自信はどこから来るのか、そしてそう思えるようにするためにはどうしていくと良いのですか。』私は、この先生は大変に素敵だと思います。なかなか、子どもたちもそうなのだが、自分も同じであり、改善していきたい。こう発言できる人は少ないと思います。

 少し大げさに話したとは答えられません。しかし、世界一という確証はないけれども、かなり良い線をいっている、世界レベルだとは思います。しかし、最初からそうであったわけではありません。こうした自信がどこから生まれたのか、昨日は上手く話せなかったけれど、ひょっとしたらこのブログを読んでくれているかもと思い記してみます。

私に自信をもたらした原因は3つあると感じています

①小さな成功の積み重ね

 最初から全てうまくいくわけではありません、しかし何か一つ一番を造っていくこと。そしてその一番を一時の一番でなく、その一番にこだわり抜いてその分野ではスペシャリストになっていくこと。例えば、当社では先ずは「納期」で一番にりました。「鋳物は納期通りに納めると暇だと思って値段をケチられる。だから納期は守ってはいけない。」そんなふうに普通に言われていた時代に納期で一番になったのです。そして今では「納期のマツバラ」と呼ばれるほどでになっています。次に、薄物や小物で一番になろうと思ったのです。今でも鋳物は量り売りです、キロ何円という値段で表現されるのです。従って、大きなものを作った方が儲かります。しかし、儲からない分野をあえて選択して一番になろうとしました。環境、周辺の環境は言うまでないですが、例えば当社には鋳物工場独特の「クサイ」が存在しません。それは決してお金になる事ではないのですが、「環境(自然・作業)」でも一番を目指していきました。そこから、「小ロット・多品種」等などさらに一番をどんどん目指していきました。当社が重ねてきた一番には2つの共通点があります。1つには、あまり同業社(ライバル)がやらないこと(儲からないこと)で一番を狙いにいったこと。そして、誰もやってくれないから、守ってくれないから(納期や法律等)、お客様や社会が困っておられることを解決することを目指していったことが二つ目の共通点です。このように小さな成功を積み上げていくこと。これが一つ目の自信につながる要因です。

②時間(継続すること)

  経営をしていると、良い時もあれば悪い時もあります。しかし、悪い時でも絶対に自身の得意分野から離れていかないこと。例えば、悪い時に値段勝負で少しでも儲かる、重量の大きな製品を手掛けるとか。また非常に忙しい時にでも、納期は絶対に守ること、特にその時仕事が好調なお客様(たくさんの注文をくれる)を優先して、あまり順調でないお客様を後回しにするようなことをするとか。どんなことをしても一度交わした約束は損得抜きに絶対に守っていくこと。このように、やり続けることで自信は生まれてくるものだと思います。お金にならなかった、環境への配慮も、超人手不足の中で採用が出来る、そこが安心になりお客様に安心して注文がいただける。また、社会的な信用が高まることで、更にお客様に選択いただけるようになってくるといった好循環が生まれています。従って、小さな成功を積み上げ、その成功を徹底して継続することで、自信につながるというのが2つ目の要因です。つまり、こうして自分が目指したことに対し、努力、精進し続けた時間こそが自信につながっていくと言うことです。

③仲間(最高の社員さんたち)

 本当はこの三番目が一番の要因なのですが、①②を説明しないと③につながらないので③にしているとご理解ください。  

 先生や子どもたちのように自分に自信が持てないのが当然です。特に日本人はそうです。最近よくこの自分に自信の持てない日本人が問題視されることがありますが、私は謙虚の表れであり、新たな向上心につながる日本人の素晴らしさだと感じています。全く大したことないのに、少しできれば名人のように語る、過信家の人たちよりは余程良いと感じています。さておき、行動する上で自信はないよりはあったほうが良いのは間違いありません。それでも自分に自信が持てない日本人の性質は変わらないでしょう。でも私が大きな自信を持てている3つ目の要因こそが最も大切な自信の源となるものだと思います。私は、一度も自分が世界一だとか優れているなどと感じたことはありません。しかし、当社マツバラには本当に「こいつ凄い」と思えるスペシャリストがいっぱいいます。今や、ほとんどのお客様に製品設計は出来ないと言っても過言ではありません。その中で、当社の設計した部品が世界の自動車を建設機械を農業機械を家電等々を動かしていきます。しかも、そのスペシャリストは当社は女性の管理職、こんな会社が世界のどこにあるでしょうか。女性だからという表現はいけませんが、どんな人(人種・性別・年齢に関係なく)も平等に成長と学びと挑戦の機会が与えられる組織と風土を作ってくれている人たちが総務、労務部門にはいます。「夫婦関係以外なら何でも治す」という保全のスペシャリストがいます。損をして物を売っていたのでは、いつか会社はダメになる。この製品は、儲かっているのか、損をしているのか、明確に示し現場には改善指令を営業には可能な限りの値上げのお願いが出来る資料を完璧なエビデンスと主に示してくれるスタッフがいます。決められた手順書を守り、確実に良い製品を造り続けてくれる人たちがいます。他にも、紹介したらきりがないほどのスペシャリストたちがマツバラには存在します。私も典型的な日本人です、自分のことは好きか嫌いかと言えば、あまり好きではないですが、しかし「とんでもなく凄い、大好きな仲間たち」が私の周りには数えきれないほど多くいるのです。そしてこの人たちはまぎれもなく、私にとっての世界一なのです。だからマツバラは凄いのです。世界一なのです。自分に自信が持てなくても、仲間たちへの信頼と感謝が自信を生み出す。これが3つ目の要因です。

 先生、見ててくれたらと嬉しい思います。そして、こうした振り返りの時間をもてたこと、こうした機会をいただけたことに本当に感謝いたします。 今週も一週間素敵な時間となりました。ありがとうございます。皆さん、素敵な週末を。

社長 松原 史尚

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