12月6日(火)
さて、最近紹介させていただいているように、現在当社は入社ラッシュです。有難いことです。現在は職場教育で色々な職場を経験して回っているのでしょうか。まだまだ仕事も先輩に教えていただくことが多いようで、ただただ眺めてしまっている時もあるようです。私の経験則では、この「ぼ~っと」している時間は本当につらいです。大切な新入社員さんを迎える準備が完全でないと感じました。どのようにやりがいを持って頑張っていただくのか、そのあたりの仕組みづくりを今月の役員会と経営会議での改善お願い事項として製造関連部署に出させていただきます。新たな設備も入り、新規受注も増えています。そのために既に8名もの新たな仲間が加わっていただいており、年明けには2名、そして春先以降6名の仲間が増えるのです。こうした皆さんが一刻も早く、やりがいを感じて達成感を持っていただくことは非常に重要だと感じるからです。今まで、これほど大きな成長が一気に起きることはなあったので、迎える側も万全な準備とは言えないのでしょうが、言い訳でなく、どうしていくかを考えなければなりませんから、しっかり体制造りをしていく覚悟です。
それでもたまたま片づけ物だけをしておられたSさんと話をすることが出来ました。課題ではりますが、今日のラッキーとします。場所は、新しく入った新型造型機の横です。1度の造型で2種類の製品を造型していました、それは簡単に見えますが、本当に大変なことなのです。形状も異なれば、重量も異なります。製品ごとのお客様からの要求事項も微妙に異なります。それを一度に組み合わせることは難しいのです。以前にも紹介したことがありますが、当社では5千種類以上の製品を生産します。1年の中では多くても3千種類程度ですが、5年に一度10年に一度といった製品もあります。こうした製品を入れると5千に近い数字になってくるのです。その中のたった2種類を組み合わせて同じ枠の中に入れます。比較的に量が流れるもの同志を組み合わせることもありますが、その逆もあります。お客様からの受注数も微妙に異なります。こうした様々な諸条件を考慮し、組み合わせていく。また、材質のコントロールも重要になります。マツバラでは、こうした小ロット多品種の生産のための技術開発、生産管理の改善、湯等の廃棄ロスを極限まで少くする改善などを6年前から重点的に取り組みました。面白いデータがあります。東南アジア諸国から輸入される鋳物の重量は2007年度をピークとして徐々に減り始め、現状では最盛期の3割に見満たない数字ですが、輸入金額では逆に上昇しています。これは、現地生産が進行したことによるもので、現状輸入されるものが年々小ロット化しているということが言えます。つまりは小ロット化することで重量当たりの価格が3倍に上昇したと言うことでもあります。高くても入手出来ている間は良いのですが、新型コロナの影響で物流、特に海上物流が麻痺したこと、更には世界各地でのロックダウンが影響して製品が届かないことが起きてきました。こうした背景で、サプライチェーンが完全に麻痺してしまったのです。小ロットであろうが部品は部品です、一つなければ最終商品は完成できないわけで、こうした小ロット多品種(多様性)に対する対応を完全にすることで、日本国の強靭性を高める(レジリエンスの向上)ことを国や自治体が課題としてあげたことが2021年という年でした。そのレジリエンスの向上のための補助金制度もありました。鋳物は、産業を支える大切な仕事で、こうした小ロット部品が多いのは先ほどの輸入統計からも解る事です。その時流に乗って、上手く補助金を活用して新型造型機の導入ができたこと。その新型機と6年かけて開発してきた小ロット生産技術の相乗効果が大きな改善をもたらすことが出来たということ。こうした開発に成功したことで、新たな受注にもどんどんつながっていること。また、小ロットという高付加価値分野の受注が出来るようになった。このような話をさせていただきました。最近では社員さんもブログを読んでおられるようなので、今回のSさんとの立ち話に少し盛って今日のブログとしてみました。一朝一夕の開発ではないのです、全社員さんの努力の結集がいまのマツバラを造っています。そして、新たな皆さんもその歴史をつないでいく大切な皆さんです。一刻も早く、皆さんがやりがいを持って取り組めるような仕組みづくりを急ぎます。今日はSさん、時間を取っていただきありがとうございました。
当社のマークは三つ団子、墨俣の一夜城を建立した先祖からの家紋で「三方良し」を意味します。今日はSさんから、その意味の質問もいただきました、ご先祖様の話は、書き始めた当初のブログに詳しく書いてあります。暇なときに、除てみてください。
今日も良い日になりました、Sさん、そして社員の皆さん今日もありがとうございました。
社長 松原 史尚