「特定技能実習生の面接」

「特定技能実習生の面接」

12月12日(月)

 先日からのブログで何度か紹介させていただいてきました、フィリピンへ実習生の面接に来ることが出来ました。12月11日(日)12月第2週の日曜日からフィリピンはクリスマスモード一色になります。マニラから面接地ダバオへと向かう飛行機は満席、一つの空席も無い状態でした。日帰りの弾丸面接になりました。帰りのマニラ行きの便には空席が目立ち、まさに帰省という言葉が当てはまるのだと感じました。こうしたクリスマス休暇の中での対応に本当に感謝します。

 面接会場には6人の募集に対して22名もの応募者がありました。面接の流れとして、マツバラの説明、どんな会社か、どんな仕事をするのか、日本に来た時の待遇や諸条件の提示などを4人一組で実施した後個人面接へと入ります。同行していただけましたプレッシー社長のご助言もありました。個人面接でないと、個人の心にあるものが見えてこない、また日常の習慣や仕事に向かう姿勢なども見えてくるるとのことで、こうした流れにしました。僅か3時間の間で22名の面接を進めました。フィリピンの皆さんは皆さん英語が担当です、通訳を介さず直接に面接できたのでこの短時間で全員の面接をすることが出来ました。英語を話せてよかったと感じます。 

 さて、面接では3つの質問をしました

①夢はありますか、あれば教えてください

②仕事の経歴を教えてください

③日本で何年ほど仕事をしたいですか

「夢」 ほとんどの人が日本で働くこと。そして家族の生活を少しでも豊かにすること。これは滞在するホテルの中でも二人のホテルスタッフにも言われました。「日本が、日本人が大好き、いつか日本で働き住んでみたい」と。彼らの希望に応えられるように全力を尽くしたいと思います。その他にはどうですか、あなた自身の夢はありますかと聞くと、そこからの答えは様々です。最も多かったのは、家を建てること。これはマツバラでしっかり働いて、特定技能までしっかり勤めてくれれば可能だと考えます。何故家かと聞くと、家族を幸せにするためという答えが多かったのも考えさせられます。我々日本人がなくしている家族愛、成長への鍵がそこにある気がするからです。多くの人は、その大切な家族をフィリピンに置いて働きに来るのです。全ての質問が終わり、その他に何か質問はありますかと聞いた中で最も多かったのが、社内でのWi-Fiの環境です、今は、Wi-Fiで家族と話すことが出来ます。現在は、皆さん、自身の携帯でご家族との会話をされていますが、この先はWi-Fiの環境整備にも力を入れる必要があると感じました。「将来は自身で起業をしたい」という答えもありました。「バナナ農家を経営したい」「養豚場を始めたい」「システム開発をする会社を造りたい」「更に勉強をして日本語学校を始めたい」「トゥクトゥクを買って起業する」こんな答えです。しかし、面接の中で心を痛切に打たれたのが、「日本に行くのはお父さんの国へ行きたいからです」という答えです。一人の候補者は、アヤさんという姉もいて二人ともが同じ父親、父親が日本に帰って以降は母親が新しい家庭を作り、祖父母の家で育ったとのこと。正式な認知もないので、日本人としての戸籍も取れないこと。「父は今沖縄にいる、いつの日か父の故郷沖縄に行くことが夢」そう語った候補者がいました。もう一人は広島出身の父親、いつの日にか父親と会いたい、一心に日本語を勉強して日本語学校の助手をしてきたといいます。同じ日本人として、反省しかないですが、それでも父親の国を愛し、いつか父に会いたいという人たちが多くいる。いつか我々日本人が報いなければならない現実だと思う。

 二つ目の質問にも考えさせられました。

 皆職を転々としています、それは自分たちの意思ではなく、景気の意向により解雇されたり会社が廃業、倒産している現実が多いという現実です。特にコロナ禍で大きく経済が落ち込んだということもあるようです。解雇されてきた人達の職種は3つに絞られました。バナバ農園、コロナ禍で大きく出荷が減ったこと、またバナナ病で農園が壊滅し経営が出来なくなったことに起因していました。2つ目は塗装工でした、中国経済が加速度的にダバオの地にも入ってきたそうです。特に不動産投資が急激に進み、その建物の塗装をしていたがコロナ以降一気に投資が低迷になり、仕事がなくなり解雇されたという。同じ理由で、溶接工が続きました、中国マネーの建物の溶接をしていたそうです。そして、製造業、プレスや組立工、これらもコロナによる景気の減速で解雇されたのだといいます。出来れば二度と職探しをしたくない、日本は解雇されることが少ない国だと聞いているとも話してくれました。  マツバラは過去に一度も会社都合の解雇やレイオフをしたことがないこと、国による雇用調整支援制度を説明した上で、法律的には60%の支給で良いが、マツバラでは100%の支給をしてきたことを伝えると皆本当に驚いたように景気が悪いのに何故解雇しないと聞いてくれた人もいました。社員さんを解雇するなら、自分が辞めてからだと話しました。「日本人だからだ」そう答えてくれた人もいました。彼らのイメージ通りの日本人、日本の会社でありたい。そう痛切に感じました。

 最後に、「日本で何年働きたいですか」という質問。

 この質問には「3年」「5年」「10年」「一生働きたい」と答えは様々でしたが、皆続けて答えてくれたのが「自身の希望は、会社が望んでくれる間は働き続けたい」という答えでした。面接の中での答えかもしれませんが、嬉しく感じました。しかし、私が面接を受けている側ならば「それはあなた次第です、私が望む環境、収入、福利厚生、やりがいをあなたが与えてくれ続けてくれる限り、私はあなたの会社で働き続ける」、それが人なのだと思います。

 応募者の皆さん、皆真剣に対応してくれて有難く思います。そして彼らのキラキラ輝く目がいつの日にかフィリピンの地に戻るときも輝き続けていられるように、精進していくことを誓いました。全ての人に日本で働いて欲しいのですが、6名を選択します。プレッシー社長、この先もご協力何卒お願いいたします。一日でも早く、彼らが入国して私たちの仲間になれることを望んでおります。

社長 松原 史尚

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