3月21日(火)
今朝出勤をして定例のトイレそうじに出かける途中、製造の役員から呼び止められました。先週に記した私のブログに大きく傷ついた仲間がいるとのことでした。特に問題意識を持ち、目標を持って、思いを込めて仕事をしているのに「何もしていない(出来ていない)」というように記されている。更には「最悪なことは、意識すらしていない」という表現は、眠る事さえできないほどショックを受けたとの話でした。
確かにそうとも受け取れる文章になっています。とにかく素直に申し訳ないと感じました。内容としては、新たな設備投資を進めました、購入先はその分野では世界一と自負しておられ、私たちもそう信じて導入した機械です。それが、僅か1年半で30年も使用した機械と同レベルのパフォーマンスに落ちてしまい、その結果として大きく収益性を損なう原因になりました。社長としては、何故そのような事態になったのか担当部長に尋ねます。そこで得た回答は今回機能不具合を起こしているシステム自体は2年に一度交換することが推奨されているとのこと。結果としては機能的に不具合が起きているので、メーカーさんに点検をしていただくとまだ問題なく動いているとの回答だったと。「問題ない」と言われても、急激に機能が落ち、パフォーマンスが落ちているわけで「問題あり」なのです。ですから、この設備を担当する責任者さんもその不具合の原因を探ろうとします。メーカーさんとも打ち合わせを繰り返し、その段階で初めてマニュアルにもない手入れの仕方を提案されたということでした。私の怒りの原因はここです。導入して1年半も経って、こうした手入れの仕方を教わるとはどういうことか、そのようなことは事前に説明される、もしくはマニュアルに記入されていて当然のことなのに。それが出来ていなければ、そうじ(手入れ)が全く出来ていない、「知らない」のだから「意識すらしていない」という事態になってしまうのは当然のことです。つまり、私の怒りはこの世界一のメーカーに向いていたわけで、社員さんたちが何もしていないと怒っていたわけではないのです。
ブログは、一方通行で書きますのでこうした上手く思いが伝わらないことはあるかもしれません。しかし、こうしたことは起こり得ます。どうあれ、私の説明不足です。素直に申し訳ないと思います。
ただ、「怒る」ということはいけないことだと改めて感じています。「怒り」エネルギーは、このようにやはり自分に返ってきます。この先も腹を立てるのでなく、どうするかをしっかり考えて対応策を考えるようにしていきたいです。
一方で、今回の件は嬉しくもありました、ショックを受けるのは懸命に頑張ってくれており、また改善しようとしてしっかりと目標意識を持って取り組んでくれているから起こるリアクションでもあると思うのです。事実、機械のパフォーマンスは良化傾向に向かっています。それでもまだ完全ではありません。いい時から比べると数字的には十分なパフォーマンスが出来ているとはいえません。今回の手入れの一件は氷山の一角に過ぎない気がします。まだまだ理解しきれていない、するべき「手入れ」は無数にあるのではと思っています。恐らくその点は「意識すらしていない」ことだと思うのです。幸いに24時間メーカーさんと話せる機能も付いているので、この先も遠慮なくどんどん聞いて完全な「手入れ」の仕方を学んで欲しいと思います。「設備が常に問題なく機能する状態を維持する」そのためにどうするかです。
さらに嬉しい報告も聞けています、時に良品率が80%を切るほど悪化した主力製品はほぼ90%以上が確保できるようになってきています。これは、こうした真剣に取り組んでくれている人たちの「思い」に対する結果でもあると考えます。それでも、何故に良品率が91%台93%台とばらつくのかを追究し改善点を模索し、それを標準化しようとしてくれています。素晴らしいことだと思います。また、今回の不具合は機械的な性能に加えて「砂」の影響も受けていたという変化点もエビデンスを持って見つけてくれています。このように、機械だけでなく他の影響も観察する視野が拡がっていくと、オペレーターから技術者へと進化していきます。目標があるからこそ、こだわりがあるからこそ、起きた今回の件は、私自身は大きく反省もさせられましたが、こうした嬉しい面も多々ありました。
それでも、今回改めて感じたことは、本当に多くの社員さんがこのブログに関心を持ってもらえているということ。それだけに、もしも私の記す内容に違和感があったり、私が勘違いをしていることがあったりすれば遠慮なく言ってもらえるとありがたいと思います。「社員が笑顔でいられる会社にしたい」。皆思いは同じです、そのために出来ることなら私は何でもしようと思います。
今日もたくさんの人と話が出来ました。ありがとうございました。鋳造部の皆さんの新年度方針にも期待しています。溶解の改善の会議からはたくさんの成果が生まれそうです。皆さん期待していますよ。
会議の合間に見たWBCは0対3のビハインドだったのですが、気が付けば逆転勝ち、ちょうど見たときは村神様が3三振を喫するシーンだったのですが、その村神様が逆転サヨナラ打であったと社員さんが教えてくれました。会社に戻ったときに、「何か良いことなかったですか」。そう聞いた時の営業係長の答えが「WBC日本が逆転勝ちでした」と。私も非常に嬉しかったですが、社員さんを笑顔にしてくれて、侍JAPANの皆さん、ありがとうございました。
社長 松原 史尚