4月13日(木)
現在製造現場で、あるトライアルをしています。昨日の鋳物組合での情報共有もしましたが、全業種に渡り世界的な景況感の悪化が見えて取れます。特に当社では、鋳物の製造だけでなく機械加工までを含んだ高付加価値製品の製造販売が2割程度の低迷状態であり、このことが収益性を大きく下げています。
幸いに事前にこうした事態を予測し手が打ってあったので「赤字」という事態には陥っていませんが、継続的な物価上昇期にあって社員さんたちの生活をしっかり守っていくためには、この時期でも確固たる収益を上げていかなければなりません。
そのような中でのトライアルです。このトライアルが成功すると、品質、生産性、そして環境にも良い効果があり、結果として収益性も良くなっていくというものです。今週の月曜日にその施策を皆で考えてくれたのですが、その手順書が生産現場に置いてあったのを見て「すごいじゃん」と感じたので綴ってみました。
これまでもこうした施策の立案、手順書の作成はしてきたのですが、内容が箇条書きで羅列してあるようなものでした。私も良くやるので、内容が判ればよい程度に思っていましたが、今回の手順書は全く異なりました。先ずは打つべき手が、グラフを活用してどの時点でどのような手が打たれるかが明確になっています。しかも、色分けがされており狙値なども非常にわかりやすくなっています。このトライアルには新たな材料の活用も含まれているのですが、既存の材料との差が明確に記されており、「何故この施策をするのか」も明確に示されています。会議により、職制が進めたい内容が単に生産現場に示されるのでなく、生産現場の人たちにも当事者として参画してもらえるような手順書になっていたのです。このような手順書ですから結果は良いに決まっています。狙った通りの結果が生産プロセスの中では得られていました。理論的な内容としてはOK、これが製品の品質面に狙った通りの結果として出ているのか、また製造プロセスの中で狙った通りの地球環境にも良いパフォーマンスが得られているのかはまだ明確になっていませんが、検査工程で本日の製品を観る限りは良い感じに見えていました。
いずれにしても、こうした施策展開が出来るようになれば、今回のトライアルが完全な効果が得られないにしても「何故上手くいかなかったかを検討し」再びPDCAのサイクルを回していけば必ず良い方向に進んでいくと思います。
「すごいじゃん」、何かとてつもない成長を取り組んでくれている職制がしているような感じがします。楽しみな未来が待っていそうです。
社長 松原 史尚