4月26日(水)
今日は大平工場で昨期の重点課題に対する報告会がありました。この課題をお願いした時には、中国のコロナ禍経済対策で建設機械関連受注が伸びていくこと、またそうしたお客様からの受注予想に沿って出した課題でした。
1.一人当たりの売り上げを増やすこと
人員を増やすことなくお客様の増産要求に対応できること。
2.製造原価の低減
世界的なインフレを予想はしましたが、生産性の向上により原価を低減させること。
このように考えての重要課題だったのですが、お客様からの予想に反して中国の建設機械需要は大きく落ち込んでいきました。その中で課題に対して向き合ってくれました。
一人当たりの売り上げの向上では、多能工化の推進、業務改善により生産性を上げていってくれました。本来であれば予想された売り上げの増加に現在の人数で十分対応できる改善を進めてくれましたが、結果的には逆の方向で受注が大きく下がることになり狙った効果を得ることが出来ませんでした。最初は残業時間などの低減でコスト低減活動に取り組んでくれましたが、法令順守の範囲内での残業は社員さんたちも望んでいることで「人を大切にする」という経営理念とは逆行します。その中で、向上した生産性を活かして人を浮かせ、社内の不足する部署に人事異動を実施する結果に至りました。「本当に大きな成果」です。なかなか人材の確保が容易な時代ではありませんからこうした改善は二重三重での効果になりました。
製造原価の低減活動も困難を極めたと思います。増えるはずの受注が減っていったのですから。しかもインフレは加速するばかりで刃具などの価格は平均して15%程度上昇しました。その中でも目標を上回る結果を得ることが出来ました。その手法は、生産工程での不具合(問題点)を分析し、その課題を解決する生産システムの根本から見直す方法で購入品そのものを最適化するという手法でした。もしも、インフレがこのような事態で進まなければさらに大きな成果を上げられたのだと思います。
関工場の皆さんにも感じて欲しいと思います。今回大平工場から移動してくれた皆さんはこうした大平工場の皆さんの努力と工夫により移ってきてくれた皆さんだということを。どうか大切にして欲しいと思います。
受注増加から減少への大きな変化点がありました。また、変動費は大変な値上がりをしています。本来であればこうした変化に対する対応は価格転嫁という形でお客様に負担いただくべきものであり、経産省、中小企業庁も堂々と進めるように提案してくれています。しかし、こうした自助努力で吸収していける組織力は大きく自慢できるものであると思います。ピンチはチャンス、こうした逆風がなかったら生まれていない成長であったかもしれません。
今回の改善手法(成長)は新規の受注に対しても活かすことが出来ます。つまり大きな競争力がついたのだと思います。今回の改善、しっかりとまとめて既存のお客様に報告をさせていただくこと、更にはPR資料として他のお客様にも活用できるものとして完成させてくれることをお願いして報告会を閉じてきました。
凄いなあ、昨日のブログでは関工場の改善について少し触れましたが大平工場も素晴らしい成果でした。今日もとってもハッピーです。
社長 松原 史尚