6月14日(火)
今年に入って早々だったと思います。高校時代の同級生から電話がありました。「会いたい」と。母校の同級生たちには、本当にありがたい友人がたくさんいて同窓会の企画を毎年してくれます。最近はコロナ禍ということで、一度オンラインで開催されただけでしたが、今年も夏の終わりの9月23日に企画をしてくれています。今年も多くの同級生の顔が見られることを嬉しく思います。電話をくれた彼も同窓会ではよく顔を合わせる間柄です。その彼からの突然の誘い。会ってみると、「市長選に出馬する」という話でした。既に、多くの有力者に出馬の打診を受けているようで、自身も決意したようです。
しかし、出馬するのは「関市」当社が工場を構える場所です。彼の出身地は岐阜市、そして現在は名古屋市に居を構えると記憶していました。その彼が、何故に関市なのかと疑問には思いましたが、話を聞いてみると本籍地は関市であり、ルーツは関市なのだと。その上で、何故に出馬するのかと聞いてみました。様々な理由とその決意の真相を聞かせてくれました。当社には、多くの関市民がいますし、多くの関市の仲間もブログを読んでくれているとのことなので、私が綴ったものでなく、彼自身の言葉で聞いて欲しいと思いますので、ここでは詳細は避けようと思います。彼の名前は「三輪知生(ともお)」、岐阜高校、南山大学、名古屋大学経営修士、工作機メーカーから三井物産での海外経験等社会経験を豊富に積み現在は経営コンサルタントとして多くの企業を支援しています。
本当に優秀で自信を持って推薦できる人物なので、選挙戦では是非多くの皆様のご支援をお願いしたいと思います。彼が自身のルーツである関市を大きく心配したのは「人口減少」、中でもその生産人口(16歳から64歳まで)の急激な減少です。西暦2000年、約9万5千人であった人口は現在8万8千人、その人口減少は7千人弱に対し、生産人口は約6万2千から、2020年僅か20年の間に約4万9千人、20%を超えて減少しているという現実、特に20歳から24歳、短大、大学、大学院を卒業している時点での転出が群を抜いて多いということでした。「この最悪な事態に歯止めをかけ、人口が増えていく街、そのためには女性に選ばれる街を創り上げていく」。これが三輪知生の決意です。
57歳での決断、彼は多くの自治体の産業振興の支援事業をコーディネータとして今尚請け負っている。また、多くの会社のコンサルも同様にしている。つまり現状は、彼の人生の経験を活かし、しっかり社会の中で活躍をしているのです。その全てを投げうって彼は出馬を決意しました。本当に勇気ある決断だと思います。彼の言葉にもありますが、関市の人口流出が大きな課題であることは薄々感じていました。35年前、この地で工場を構えた折には採用に困ったことなど一度もありませんでした。数年前まで、常に募集人員を上回る人材の確保が出来ました。しかし、今、関市の全ての製造業が人材確保に大きな課題を抱えています。人手不足、人口減少、その言葉では表せない大きな課題が関市にはありました。その辺りも流石は経営修士の三輪君だと思います。数字でもって、その課題を明確にしてくれました。彼曰く、「関市はナイアガラの滝つぼに飲み込まれる寸前にある。滝つぼに落ちないための舟の漕ぎ手が加速度的に減少しているのである。出生率を上げる手も重要であるが、先ずは漕ぎ手を外から迎え入れても増やす必要がある。つまり、流入人口を増やすことを最優先に進める。その上で流出人口を止める施策も同時進行で進める。」
素晴らしい、彼に賭けてみようと思います。彼の手腕は多くの関市の製造業の未来の希望だと思います。がんばれ「三輪友生」。決断をしてくれてありがとう。
ところで、今日からドイツに出張をします。世界の鋳物の祭典がデュッセルドルフで開かれます。その日本鋳造協会の派遣団の団長として参加をさせていただけることになりました。前回参加したのは、なでしこジャパンがワールドカップを制覇した年でした。しばらくぶりの参加です。先ずは、無事にドイツミュンヘンの空港に到着しました。この後、移動を重ねて明日から始まる、祭典に臨みます。送り出してくれた、社員の皆さんに一つでも多くの学びを持ち帰り、皆さんの幸福につなげていきたいと考えています。
社長 松原 史尚