9月19日(火)
この制度が海外では「奴隷制度」のように言われています。確かに、私の知っているだけでもそう感じるような扱いをされている企業があります。本当に残念な話です。中には、例えば月に一度食事会をしたり、社員旅行に招いたり様々な手法で「社員は家族」的な待遇で接することで納得性を出している会社も多いのですが、私はそれでは不十分だと思います。そもそも「実習生」なのですから、しっかりと実習をしていただくことが大切で、その人が母国に帰ってもそのスキルを活かして、確固たる収入が得られるようになっていただくことが大切なのです。
年々加速する人手不足、20年以上も前にこの制度が始まったころは当社にもそのような風潮があった気がします。あの頃は、来ていただく国々との賃金差も大きく、現状でいうSDGs的な発想からも仮に労働者的な内容でも価値・意味があったのかもしれませんが、現状は全く異なります。如何に、現在、そして未来においても来ていただける実習生の皆さんに幸福感(達成感)を感じていただけるかが重要なのだということです。
以前は単純労働の支援を当社でもしてもらっていました。しかし、現在では品質を左右する重要な工程でも活躍していただいています。多くの皆さんが勉強熱心で、その成長速度は非常に速いと思います。本当にありがたい存在です。こうした「役立ち感」こそが大切であり、それは「誰でもできる」ではなく、「自分だからできる」という達成感が感じられるものが重要だと思います。鋳物はかけがえのない産業で必ず母国でも必要とさえる仕事です。今は「一生マツバラで働きたい」そう話してくれる皆さんが多いのですが、もしも母国に帰るようなことがあれば必ず母国に役立つ施術者になると思います。また、最近では鋳造業も装置産業化されており、そのメンテナンススキルも重要になります。昨日のことになりますが、おそうじ活動巡回の中で、こうした実習生、特定技能実習生の皆さんが管理職からメンテナンスを教わる姿が多く見られました。管理職を多くの実習生・特定技能実習生が囲み、一緒になってベアリングの交換、整備などを学んでいました。マツバラでは、実習生、特定技能実習生は中国とベトナムから来ていただいていますが、皆本当に仲が良いのです。それは、単なる製造作業だけでなく、こうして共に学びを共有し、更には改善を一緒になって進めていくところから来るのかもしれません。中国からの特定技能実習生は今秋一度帰国するようですが、また冬には戻ってきたいと話してくれています。また将来的には息子も入社させて欲しいと話してくれています。「社員満足度の向上」真剣にこうしたことを目指しています。人と向き合う、一人ひとりの社員さんが「自他一如」の精神で、自分も他人も同じ、「相手が喜んでくれる行動、仲間の未来が少しでも良くなる行動」をしてくれる。本当に素敵な仲間たちだと思います。「みんなありがとう」
写真はメンテナンスを管理者から教わる、実習生・特定技能実習生の皆さん。
社長 松原 史尚